第127話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(45)

 一見すると、衣類と洗剤を指定箇所に入れると、ハイおしまいって感じがするのだが、甘かった。

 まず、落とし穴がいくつかある。

「洗濯がこんなに簡単だなんて」って喜び勇んで、片っ端から衣類を放り込むと、大変なことになってしまう。

 だって、まず色物を分けないと色移りがしてしまうのだ・・・。

 実は一番最初にこれをやってしまった結果、ハチの真っ白なTシャツが無残な虹色に・・・(涙)。


 さすがの妾もこのときは、カラフルに変貌を遂げた純白Tシャツを前に、固まってしまった。

 結局これも責任を取って、妾の部屋着に転用させてもらった・・・。

 ◇◇

 こんな感じで数日が経ち、クレオも徐々に家事に慣れつつあるみたいだ。

 毎日家事の練習につきあっていると、思わぬ発見があって楽しい。


 おっちょこちょいなところや、喜怒哀楽の激しい面や、もちろんかわいい仕草なんか。

 ・・・俺はなんだか、徐々に彼女の魅力に惹き込まれているのかもしれない・・・。

 あと、なんと言っても、あのボディーな!

 ・・・まあ、すべてに一級ということなんだが、もう少し・・・こう・・・敷居が低けりゃなぁ。

 考えてみれば、元々高貴な出自なのだから、仕方がないことなんだろうけどな。


 仕掛っているレポートに一区切りをつけて、さて晩飯の支度・・・と思いきや。

 クレオがセクメトナーメンと一緒にキッチンで格闘中だ。

 と言っても、最近は彼女たちも頑張って料理の失敗も少ないので助かっている。


 しばらくして、出来上がり。

 おお、今日も何事もなく・・・と思うとちょっとだけ感無量だ(笑)。

 鶏肉のローストとサラダ、それにオリーブオイルに浸すパン。

「さ、食べよう」

 セクメトナーメンが大皿に盛ったやつを、クレオがいそいそと取り分けている。

 食いしん坊だから楽しくて仕方なさそうだ。微笑ましい。


 そんじゃ、いただきます。

 美味い、こりゃ感心した。もうちゃんとした料理を作れている。

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