第126話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(44)

 それからは、教わりながらもトライ&エラーの連続となったが、挫けてもいられない。

 だが結局、当日は失敗だらけで、翌日の昼食ぶんまで失敗作の消化にかかりそうだ。

 うう・・・。


 さて、気分を切り替えて次は掃除だ。

 なのだが、

「なあ、ハチ。セクメトの奴はどこに行ったのだ?」

 彼は、大学から持ち帰った資料をテーブルに広げて整理しているようだ。

「ああ、なんか教授と話が盛り上がっちゃってさ。護衛だから玄関まで送ってくれたんだが、また大学に戻ったよ」

「そうなのか」

「ははは。あの教授、人当たりはいいんだが人を見る目は厳しいんで、セクメトナーメンが気に入られているのには俺も驚いているんだ」

 なるほど・・・まあ、セクメトの奴は有能な侍従長であり、騎士団のメンバーでもある魔術師なのだが・・・元々ムーセイオンの有力メンバーだったわけだし、あの若さで一時大図書館の館長候補にもなったくらいだからな・・・この現代で教授に気に入られるのも不思議ではないな。

 ・・・うむ、妾もなんだか誇らしい気分だ。


 と感慨に耽るのもこれくらいにして、次は掃除だ。

 ハチから掃除機なる機械を借りるが、こいつも驚きだ。

 ボタンを押すだけで、埃を勝手に吸い取っていくのだから。

 ガーガーと結構な音を立てながら、各部屋を綺麗にしていく・・・これならおおむね大丈夫そうだ。

 あ、でもこの音が近隣に迷惑になるかも知れないので、夜遅くは控えないとな。

 よっと。

 さてあとは、掃除機の中に溜まったゴミの排出だけ・・・っと!

 ・・・・やってしまった。


 機械からの取り出しに慣れていなくて、集積したゴミが掃除機の周りにぶわっと散ってしまった。

 ・・・・むむむ。

 唸っていても仕方がない。


 切り替え! 切り替えて、次、洗濯!

 これも想像通り、この時代には凄い機械が存在する。

 その名も洗濯機! ・・・そのまんまだ。

 なんと、石鹸による水洗いから一気に乾燥まで仕上げてしまうという凄腕だ。

 正直さっぱり原理が分からないが・・・ま、まあ、今は使えるようになるのが優先なので、慣れたころに聞いてみよう。

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