第106話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(24)
だが、クレオは確固たる調子で反論する。
「何を言う! まずは形からでも充分社会的メンツを保つことが出来るではないか! そうすればそなたは至るところで、他の者を上から目線で制することが可能なのだぞ?」
「いや・・・そんな、戦闘中じゃないんだから、制圧する必要なんかねぇよ!」
「ダメだ! そんな中途半端なことを言っているから、いつまでたってもカノジョが出来ずに『人生の勝者』になれないのだぞ?」
クレオ、なんか論点がズレてるし。
別に人生の勝敗を賭ける話なんかじゃないだろ?
まあ、青春の勝敗的なものは賭けるかもしれないが・・・。
そもそも、その自信はどこから湧いているんだ?
とか、俺がなおも抵抗して、ぐじぐじ反論していると、
「とにかく決まりだ!」
ええ~~・・・・・。
「きょうこの時をもって、妾はそなたのカノジョだ!」
結局、我が家のファラオ、クレオパトラ七世・フィロパトル殿は、高らかに宣言を完結させてしまった・・・。
俺は、がっくり項垂れて、
「マジかよ・・・」と、呟くのが精いっぱい。
これは・・・まるで、『おしかけ女房』ってやつだな。
いやこの場合は『おしかけ彼女』ってなるのか?
「どうした? そなたも、こんな最高のカノジョが出来たのだから、胸を張るがいい」
なぜ、ドヤ顔になる?
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