第105話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(23)

 俺の冗談のような不安も蹴散らすかのように、宣言が続く。

「いろいろ頼っているそなたに対して、何も支払えないというのは、仮にもファラオとして心苦しいことこの上なかったのだ!」

「・・・・」


 さらに畳み掛けてくるクレオパトラ。

「それにだな・・・護衛対象のそなたに密着するのは、そもそも当然であろうが!」

 いかん、まだ俺はフリーズしとる・・・。


「そこでだ。そなたのカノジョということであれば対価としては最高であるし、護衛の質も上がるということで一石二鳥であろう? 我ながらなんと完璧かつ素晴らしい名案だ!」


 あ、戻ってきた(俺が)。


 俺は慌てて手を振り、

「待て! 待て! 待て! ちょっと待て!」

 思わず全力で叫んだ。世界の中心にいるわけでもないのに!


「クレオ! 落ち着け!」

 いや、おそらく落ち着いていないのは、俺のほうなんだけど!


「そんなニセモノ彼女をつくったところで、意味がない!」

「そうか?」

「そりゃそうだろ! 男女の、カップルの営みは心が通じていないと意味がない!」

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