第104話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(22)

「古代の文献でも性風俗の情報があるにはあるので、なんとなく想像はついていたが、やはりそうだったのか」

「ああそうだ。ま、王宮には風俗にうるさい年寄りも多かったが、妾は活気があってよいことだと思っていた。だってそうだろう? 若者には性欲が付き物であるし、そこで男女の営みも覚えていくから、妻を娶ったときにヤリかたに困ることも無い」

「・・・なるほど」

 あれ? 感心するところなのか?


「だから、結婚後もヤリまくって子宝に恵まれ、ひいては国家安泰となるのだ」

 こんな美女の口から『ヤリまくって』って・・・。


 だが、そのとき隣にいるクレオは、まるで雷にでも撃たれたかのように、閃きの表情を見せた。


「そうか・・・!」


 え・・・?

 彼女は急に立ち上がり、腰に手を当てて宣言し始めた。

 なんなんだ?


「この手があったか! ハチよ! 名案だ! 喜ぶがよい!」

 は?




「妾が世話になっている対価として、そなたの『カノジョ』になろうではないか!」




 ・・・・

 部屋に沈黙が流れる。


 そりゃ流れるわ。

 俺自身も、今の宣言を聞いて、まだ脳内がフリーズしとる・・・。

 まさか、白髪になっていないよな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る