第78話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(37)
だが、そんな妾の気持ちをよそに、
「いや、本当に助かった・・・ははっ・・・いまさらだけど、君たちが本当に過去から来たんだなって、実感してしまったよ」と、彼はまたしても笑う。
「ハチ・・・怒っていないのか?」
「怒る? なんで?」
「いや、だから・・・助けはしたものの、そなたも死を感じ取るまでの思いをしてしまったであろう?」
まだ彼は「?」っていう表情だ。
「たしかに怖かったけれど・・・君たちのせいじゃないだろう?」
「!」
「本当にすまないけれど・・・あらためて、これからもよろしく」
そう言って、握手(と言ったか)の手を出してくる。
まったく、そなたは・・・なんという度量の広さなのだ。
やはり『大王の血脈』というのは・・・間違いないとあらためて確信させられた。
◇◇
セクメトナーメンが淹れてくれた、アツアツのコーヒーを飲みながら少し休憩する。
「さてと」
俺はコーヒーを飲み干し、立ち上がると襲撃現場から持ち帰ったモノをテーブルに取り出しながら訪ねる。
「なあ、クレオ。現場をそのままにして早々に撤収しちまったけど、大丈夫なのかな・・・ほら、周囲は時間が止まっていたし、死体の肉片は散乱してたし」
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