第67話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(26)
だが、次の瞬間ハチは妾のアタマを撫でながら、思いもよらぬことを言う。
「それは、おまえが凄い美人だからだよ」
「?」
「おお、鳩が豆鉄砲食らったような顔しているな? そうか、あんまり自覚がなさそうだな」
「・・・そんなことはない。はしたないからあまり公言はしないが、妾だって王族として幼少期から女を磨いてきたからな。王国の中でなら美しさにも自信はある。だがここは二千年後の世界だぞ? 美的感覚は時代によって大きく変わるであろう?」
「うーん、それはだな・・・うまく言えないが・・・『時代を大きく超えても通用する普遍的な美しさ』ってやつがあると思うんだよな」
「・・・・」
褒められて・・・いる?
妾は急に恥ずかしくなって、ハチの顔を見れなくなってしまった。
「あとさ、これもうまく表現出来ないんだけど、やはり雰囲気とかオーラっていう、なにか普通の女性とは全然違うものがあるんだよなぁ」
「そ・・・そなた、そのように・・・ありがとう」
あ、なんてことを言ってしまったのだ!
これでは、まるで・・・まるで、妾がハチのことを慕っているかのようではないか・・・。
自ら否定しようと思うものの、ますます顔は赤くなり、熱を帯びてきたような気がする。
とりあえず話題を変えよう・・・と切り出すまでも無く、
「当然です、王国で一番の美しさを保つようにしてきましたから」
妾の熱を一気に覚ますような冷や水を、セクメトのやつが浴びせてくる。
むぅ、なにかと割り込んでくる。
内心舌打ち(品が無い!)をした妾を尻目に・・・ちょうどそこで、店に着いた。
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