第68話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(27)
ハチはテーブルに陣取って料理をいくつかオーダーするが、メニューをこちらにも見せて、説明してくれる。
なるほど、鳩、パイ、豆・・・おお、初めて連れてきてもらった時のメニューではないか。
さすがだ。
豆なぞ何日食べても飽きないくらいだ。
遠い異国の日本とやらから来ているのに、エジプト人の好みを押さえているとはな。学者とは博識なものだ。
サラダにスープに・・・次々と大皿が運ばれてくる。
たぶん他人から見たら、これで三人前? 倍はあるんじゃないの? っていう量だと思う。
「しかしいつ見ても、クレオの食べっぷりは気持ちいいね」
「なんだ? いいではないか、美味なのだから」
特に気に入ったパンにたっぷりオイルを浸らせ、めいっぱい頬張りながら、不服そうな顔を見せつける・・・のだが、すぐに、
「いや、申し訳ない。奢ってもらっている分際で、言うべきことではなかったな」
だが、そんな妾の侘びもスルーして、
「食べることは大事だぞ? とんでもなく異なった環境に放り出されて、自分でも気づかないうちに滅茶苦茶に消耗しているはずだ。身体も心もな・・・だから、うんと食べといたほうがいい」
「・・・ありがとう」
優しいな・・・なんだか身に染みる。
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