第42話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(1)
第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』
妾とセクメトは、ハチの勧めに従いソファーに腰かける。
彼は、食卓の脇から椅子を持ってきて腰かける。
「ハチ。これから話すことは、まごうことなき真実だということを誓う」
「・・・」
「少し長い話になるし、そなたにとっては信じられないことばかりだと思うが・・・どうか落ち着いて聞いて欲しい」
・・・・
アレクサンドロス大王の経歴の中で空白の期間があり、そこには重大な秘密があったこと。
大王が青年時代、不思議な粘土板を発見したことに端を発し、そこに書かれたことを基に大魔術師となったこと。さらに、魔術師の秘密結社を作ったこと。
魔術の力を利用して、世界帝国を打ち立てたこと。
しかしその粘土板には恐るべき負の側面があり、悪用すれば世界が滅ぶほどの威力があると思われること。
その粘土板を狙うイルミナティという秘密結社が、太古から存在するということ。
大王は自身を投げ打って粘土板に封印を施したが、この時代に効力が弱体化してしまうこと。
そして、
封印には大王の血が使われており、解除にはこの時代に続く大王直系の子孫の血が必要であり、ゆえにイルミナティがその子孫を狙っているということ。
・・・・
ここまで話すと、ハチは大きく溜息をつき、おもむろに訪ねてくる。
「・・・つまり、俺がその『大王の血脈』であり、それがゆえに例の黒フード連中、いや、イルミナティに襲われた・・・と?」
「そうだ」
妾は何の感情も込めずに、肯定する。
さすがこの時代の歴史学者、いろいろと古代史に詳しいので、理解が早くて助かる。
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