第2話

考えてる事全部大声に出して喚き散らすとか八つ当たりと思われても仕方ないのに結局全部解決する所って変わってるよね

そう同級生に言われた事はあるが仕方がないだろう、頭の具合が良く出来ていない故に口に出さねば状況の認識が出来ないのだから

これが一番個人個人としての自分にはめ込んだホワイトパズルの様にあっているのだから仕方がないだろうと返答した気がする。


「…いや今までの人生も幻覚症状と言われても仕方がない事柄だったが…初めてマトモな現実離れしてる気がするな…平穏だぁ…と考えふける事などを可能な時間があるなんてどれだけ幸せな事なのだろうか!あぁ普通万歳!あーひゃっひゃっひゃ!!!!」


歓喜のあまり繰り出された気持ち悪い笑顔とそれに追従するかのような気狂いな叫び声が周辺を木霊する、だが気にする存在はいないのだろうか?

特に何のトラブルもなくスンと感情がプラマイゼロへと戻った彼は行動を開始した、まぁひたすらに歩くというコマンドなだけなのだが仕方がないだろう

目の前に混在しているリンゴに似た色を持つ謎の果実を手に取ろうにも毒物であったならば不必要な死は避けれないのだ、であれば歩く事しか出来ることは無い

けものみちとも言えぬ木々と草々の間を通り抜けていけばそこには、木々と草々である、どこを通ろうにも最早ここはどこだ状態だ、山で遭難した事はある

森の中のある日にクマに遭遇した事もある、実は勘違いでトラだったりライオンだったりシカだったこともあるが基本的に今の状況はそうなんだ…と返答出来る程にはそういう状況だ


「あぁ無常である、俺はこんな訳の分からない場所に飛び出された挙句に餓死していまうのだろう、ホロリ…なんてわけねぇよなぁオイ!!!」


真後ろから飛来する石礫をその辺に落ちていたいい感じの棒で弾き飛ばすと敵対者であろう存在の額に命中しその骨髄の破片を引き出されていた


「三日越しの食料だァ!人間の身体的特徴持ってんなら食えるよなァ!?オイ!?」


いい感じの棒と言えど太さ十㎝はあろう木である、そんな代物に跳ね返されたとあっては余裕で人の頭蓋を貫通する筈であった石礫を更にカウンターし投球者にサヨナラホームランをしたのだ

見事なまでに場末に咲き乱れている様な血の華を咲かせた緑色の小人は滑稽な死に様を晒していた、ここに劇場作家でもいようものならそれにインスピレーションを受けたグロ映画でも作るであろう程の見事な飛び散り方だ、うーむグロい。


「大きさは百十センチで大体子供サイズ、こんな生物じゃ俺は殺せないのにやってきているという事は俺の世界とは別世界か別の食物連鎖に対して進化した結果か?孤島か異世界化の二択に分けられる訳だが飯だ飯飯飯飯ィ!臓物は危険だから腕と足だ!」


生のままに齧り付くのも中々乙なモノなのだろう、骨を噛みしめ肉を舌が認識するとは言ってくるのは予想以上の泥臭さと生臭さだった、実に不味い

だが腹に入れなければ精神的な意味の方で心が折れそうになる、餓死はマジで辛いのだ、無人島系を読めば想像出来る程の分かりやすい孤独の果て的絶望だ

人間の三大欲求が足りない事に切望し全てを諦めながら死ぬ、そんなことになる位ならば全てを妥協し目の前の肉に噛みつく位やりきるのがアザトットサヴェージという男なのだろう


「ゲロ吐きそうなくらいマズいがそのゲロが出ない事にはどうしようもないんだから仕方ねぇよなぁ」


骨付き生肉を何の特殊技能も無しに食べきりながらふと地面に横になりながら眼にて見張ってみると足跡が薄くではあるが見える、つまりはこいつら巣がある、食える、お腹膨れる、ワタクシウレシイ


「良し行こう移行だ食物連鎖だグェ」


突如起きた真後ろからの打撃によりアジトットの頭蓋骨は陥没骨折し意識不明の重体となり、何も飲まず食わずになった為一週間後に死亡した









「遺言はありますか?」

『そんなモンはいつも通りねぇよ』









「さてどの辺だ?」


手癖が悪いのか脚癖が悪いのか分からないが全身を動かすような柔軟体操をしながら周りを見渡すとどうやらゴブリンが目の前で死んでいる様だ、額にはポッカリと開いた穴と見事なまでに四散した頭蓋が散らばっている

別に中身がないほど小さい脳みそと馬鹿にするわけではないが見事な散りざまだなぁと眺めていると段々と白子の様なウドンのような物体にに見えてくるのはアジトットサヴェージ独自の考えだろう

先ほどまで貪り食っていた手足を汚げに吹き出しながらいい感じの棒を手に真後ろを向きながら睨みつけるといるわいるわ先ほどまで貪り食っていた緑色の小人共が、どうやら先に倒したのが見張りであり先ほどまで略奪をしていた働き者部隊が帰ってきたっていう所だろうか?

およそ五体であるが全員が泥まみれであり手には土と埃に塗れた痩せた野菜を手にしている様だ、略奪と言ってもコイツらのやる事は手足の生えたカラスか害虫程度らしい、それでも手に持った木こりの斧や俺も持っているいい感じの棒が赤く染まっていることから何人かは怪我を負わせたか殺めて来たのだろう


「つまりお前らは知恵を持つ生物に敵対的であり殺しても問題ねぇ八つ当たり野郎どもって事だなァ!?」


真っすぐ行って木こりの斧を持つ緑小人に向かって棒を投擲するとこれまた見事に血の華を咲かせている、今度は喉に突き刺さった場合故に噴水の様に赤い液体がマーライオンしている事がよほど動揺に値しているのか手に持っている武器を構える事も出来の棒の如き立ち方だ

次は何も持っていないと思わせながら石を拾っていた者を攻撃する、斧を拾うフォームのままに遠心力を利用する投球により回転しながら飛んでいった斧は見事に胴部に突き刺さっている、別段驚く様な描写もないくらいに胸に突き刺さっている為心臓は持たずに速度的に死んでいる最中だろう

さて後は本当に無手の者と棒持ちが二人ほど、石を拾う時間があれば二体は殺せる、さてここで調子乗って突っ込もうものなら後ろからバックスタブだァ!みたいな事になりそうな予感がするので先ほどまで纏っていたレインコートを片腕に巻き付く様に振り回すとこれまた驚愕な顔をし動作が止まる

チラリと後ろを見るがちゃんと森である、視力は鍛えたためにかなりの長距離を観察できるが特に何かがいる気配は無し、目の前に目線を戻せば石礫が三つほど飛んできておりソレをレインコートを纏わせた腕で受ける、若干といってもアマチュア野球選手のソレ並の衝撃が走るがそれだけだ

右腕の厚手のレインコートによって衝撃吸収されたソレは役立たずの只の石となり地面へとポトリと落下する…寸前に既に無手のゴブリンの一体の眼には自身の左腕が突き刺さっており痛みでのたうち回り前に掴んだ臓器を力任せに抜き取るとつかみ取りうどん大会の様な奇抜な祭りの様にになっている

さてとと一息吐きながら掴んだまま振り回したそれはもう一人の緑小人に叩きつけられる、場所が頭だったために脳震盪は避けられないだろう、これも叩きつけた時点で無視するに値すると考えてよいだろう、棒持ちは逃げ出そうとしたから手頃な岩を掴んで投げ飛ばして殺した、最後が雑だが俺も疲れてるので仕方がないだろう


濃厚な血の匂いが充満しそこら中に臓物と血液が散らばっているが俺の血がないのは一番良い事だろう、只臭い、めちゃくちゃ鉄臭いが鼻で息すると慣れるって言っていたがアジトットの場合は鼻と口の同時呼吸だ、健康には知らんが精神的な体力回復には一番これが早いと日常にて実験を繰り返した結果分かった


「あーくっせぇ」

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