　雇い主に言われて人を拐い、雇い主が良いと言うまで、常に笑みを浮かべ、穏やかな口調で、来るべきその日まで甲斐甲斐しく世話をする。

　そして合図が出れば、殺す。

　さっさと殺す場合もあれば、じっくり殺す場合もある。

　器具や汚れはそのままだから、拐われた人物は誰しも恐怖に震え、俺を絶対に信用しない。

　そして合図が出て実行に移した際の、部屋に響く絶叫が何よりも楽しみで、足を洗う気はまるでなかった。

　今度の獲物は、最近名を轟かせている探偵の助手で、彼女を人質にデスゲームをさせるらしい。

　そう最初に伝えているはずだが、テンション高く助手は俺に世話をされて、あまつ監禁生活も悪くないとかほざいている。

　何なんだ、この女は……。

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