助手の監禁 (300字)

 買い物帰り、何者かに捕まり、意識を失っている間にアジトらしき所に連れてこられた。

 窓のない部屋、私は中央で椅子に縛られ、すぐ傍には男が立ち、唯一の出入口には女が立っている。


「合図を出すまでは面倒を見ること。それまでは逃がすことも、殺すことも許さないから」


 女は出ていき、男と二人きり。

 その顔をよく見ると、意識を失う直前に会話をしていた人物で、ついでに指名手配されている殺人鬼にもよく似ている。


 名探偵の助手故の試練が、ついに来たか!


 とムズムズしていると、拘束は早々に解いてくれ、意外と甲斐甲斐しく世話をしてくれるので、ちょっと帰りたくなくなってきた。


「監禁生活も悪くないね」

「……は?」


 嫌そうな顔をされた。

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