第2話 黒い影

「ねぇ、君。1人?大丈夫⁇」


僕は誰かに起こされた。草むらで横になっていたから全身が痛い。そして、誰だろう。はじめて聞いた声…。




「ねぇ君どうしてここにいるの⁇歩ける⁇大丈夫⁇」


その真っ黒な魔女みたいな服。クアマ人だ。あの男の子の知り合いか。それとも、同じ一族?いいや、大事なことを忘れてた。僕が家を追い出された原因だ。


デルは昨日のことを思い出して、イライラし始めた。

僕がこんな目にあったのは昨日来たクアマ人のせいだ。なんで僕の家を選んだ来た。なんで助けを求めた。なんで、お母さんとお父さんは褒めてくれなかったんだ。なんで、なんで…!!





「ねぇ、君?もしかして喋れない?まぁいいや、とりあえず私のおうち来て!もうすぐご飯だし、一緒に食べよう!」



「…えっ⁇」


僕は驚いて無意識に声を出していた。家に僕を入れる…⁇一緒にご飯を食べる⁇クアマ人じゃないのに?

いや、違う。僕を殺そうとしているのかもしれない。家に迎え入れて、ご飯に毒を入れて。だって、うちの両親はクアマ人を助けるな、と言ったんだ。だから、逆に僕たちはクアマ人に…。









まぁこの際、死んでもいいか。






僕は女の子について行った。


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