迷宮探索 6
それから迷宮探索は続き、地下一階層、二階層と三班が交代しながら戦闘を行いながら今三階層へと到着した。
それまで各班二回戦闘を行い少しは経験を積むことが出来た。
そして俺は、昨晩フェイト達と話したことを実行することにした。
「テイルさん少しいいですか?」
「どうした少年」
(名前すら覚えられてないのかよ)
だがそんなこと今はどうでもいい。
「次のモンスター戦闘ですが、俺とレナの二人に任せてもらえませんか」
「おいおい、少年何を言っているんだ? 先ほどの二回の戦闘を見ていたが君達は二人は後方での支援しかしてなかったじゃないか。そんな君達に何が出来るのかね?」
俺は後方からの指示だし、レナに関しては回復役としていたために特に何もしていなかった。
「できますよ」
俺は少し声のトーンを落とした低い声で返答した。
「もしそうだとしても、戦闘経験をの少ない君達に二人での戦闘をさせることを許すわけにはいかん」
「ではもし俺達二人があなたよりも戦闘経験を積んでいて、あなた以上のスキルを持っているとしたらどうですか?」
「何を意味の分からないことを言っているんだ」
「ほら、次の角、五秒後にモンスターがに二体出てきますよ」
「!!」
何を意味不明なことを言っているんだろと言う反応を示す。
だが、五秒後俺の言った通りモンスターが二体現れた。
「どうですか」
それに対して少し混乱しているテイル。
「レナ!」
「了解!」
名前を呼ぶだけで反応したレナは目の前の植物型モンスターを一刀両断。一撃で切り伏せた。
その姿にテイルだけでなく、他のクラスメイト達までもが驚いていた。
「い、今何をしたんだ!」
声を震わせながら聞いてくる。
「何をと言われても見てのままです。現れたモンスター二体を一撃で倒したんです」
テイルはギルドで戦闘経験なしの冒険者になりたてほやのほやの者達ばかり。国同士の戦争のためにこの世界に呼ばれた者達だと聞いているんだと思う。
そんな者達の中に異様な強さを持つ者がいる。
そのことに対して少し頭が追い付かないようだ。
「俺も、実力を見せた方がいいですか?」
「いやいいい。今ので実力はわかった」
それからの言葉は他の者達にも聞こえる声で話された。
「これからの戦闘はお前らの判断に一任する。二人で戦うもよし、他の者達と後退するでもいい」
俺からのお願いに対して返ってきた答えは、想像以上の俺がお願いしたこと以上の物が返ってきた。
まさかそこまでの回答を貰えると思ってなかったが、テイルさんがそれでいいと言うならそれでもいいかと思った。
だが、そのことに対して不満を募らせている者達がいた。
「俺達は反対です」
他のクラスメイト達九名が異議を唱えた。
「なんでこんな奴の言うことを聞くのですか!」
俺に対しての不満であった。
「確かに先ほどのレナさんの戦闘は凄かったですが、こいつはただ名前を呼んだだけで何もしてないですよね」
こいつらの言いたいことも理解できる。だが、それ以外にもテイルが俺のことを評価しているところがあった。
先ほどテイルの前で言ったモンスターンもいる場所に数。それこそが俺の実力を測るに十分すぎたのである。
だが、そのことをこのメンバーに言ったところで理解できるわけがない。
そのため、テイルも全員にどう説明したものかと頭を悩ませていた。
すると、
「私は良いと思いますよ」
村西はテイルの意見に賛成のようであった。
「さっきのレナさんの戦闘は本当にすごかったよね。それにそんなレナさんが信頼を寄せている音無君が実力不足だと考えるのどうかと私は思うよ」
それに対して何も言い解せない他のメンバー。
今の村西の言葉に対して、他のメンバー達のどこかで必死に考えないようにしていた何かが解き放たれたのである。
「分かりました」
他のメンバー達もテイルの判断を受け入れた。
それから、レナと俺を戦闘にして地下三階層を進んでいる。
先頭が俺達になってからはしばらくモンスターと遭遇することなく進んでいた。
「この階層全然モンスターいなくない?」
後方を歩く
「ああ、さっきまでの戦闘回数に比べると明らかに減っているな」
他のメンバーもこのことを不思議に思っているようであった。
俺もこの層に来てから、最初に引っかかったモンスター以外なんの反応がない。
さすがにこのままで何も試せずに終わってしまうのではないか。
そう考えていたその時、少しに大きな反応があるのを感じた。
ここまで戦ったモンスター達とは明らかに違う。
「テイルさん! すぐにこの階層を離れてください!」
モンスターの方も俺達の方に気づきこちらへと向かってきた。
開けた場所でもないためモンスターからでは俺達を見つけることは出来ないはず。なのになぜか、その答えは簡単であった。
「上位種だ!」
俺は思わず叫んでしまった。
この階層までは初級冒険者の修行の場と聞いている。それならここでは通常モンスターしか出てこないはずではないのかと思う。
「それは本当か?!」
俺の言葉に反応を示したのテイルさんだった。
「上位種はこの下の階層からのはずだ! 三階層で見た報告なんか聞いたことがないぞ!」
だが、事実存在している。
「ですが確かにこちらへと向かってきてます」
その言葉に絶望的な表情を浮かべる。
「全員全力で二階層へ上がる階段へ戻るんだ!」
このメンバーを任された責任者として最低限のことはしてくれた。
テイルさんの言葉を聞いた皆は、もうダッシュで上の階へ上がる階段へと向かって行く。
そんなとき、
「優輝逃げても無駄?」
走りながらレナが聞いてくる。
かなりの速度で俺達の方へと向かっていてる。
しかも、俺達の向かっている二階層へと上がる階段の所目掛けてだ。
「無駄な、もしもの時は皆のことを頼む」
「わかった!」
レナは俺の言葉に対してすぐに返事を返す。
そして、道を塞ぐようにしてそのモンスターが現れた。
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