宇宙からの来襲者
犬飼 拓海
宇宙からの来襲者
「んん…ん?え…」
小一時間の昼寝から目を覚ました僕は窓の外に広がる光景に絶句した。
あたり一面には淡い赤色をした霧と炎の海が広がっている。空も赤に染まり、その空には
見たこともない『何か』が数十、数百と空を飛び回りつつ、地上に向けてレーザー光線のようなものを発する。そしてその直後には大きな爆発音が聞こえた。
ただならぬ状況なのは何とか理解することができた。しかし、何が起こっているのかが全く理解できない。
空に浮かぶ謎の飛行物体は戦闘機特有の鉛筆のような形でもなく、輸送機のようなずんぐりむっくりとした個性的な見た目でもなく、ヘリコプターのようにプロペラが着いているわけでもなかった。
「まさかUFOか…?」
『UFO』そんな単語が脳裏に浮かぶ。無論、確証なんてものは無い。
そして、僕はテレビをつける。
-砂嵐だった。どの局も。
NHKさえ、映らなかった。
はっと思いラジオの電源を入れ、アンテナを伸ばす。
スピーカーから雑音混じりのキャスターの声が聞こえてくる。
「攻撃情報。攻撃情報。地球外生命体による大規模攻撃が発生しました。繰り返します。攻撃情報。攻撃情報。本日、地球外生命体による大規模攻撃が発生しました。お近くのシェルターまで避難してください。繰り返します。攻撃情報。攻撃情報。地球外生m……」
録音されたのであろう音声が繰り返し流される。そしてその音声も数分後には途切れ、ザーという音に変わる。
咄嗟に僕はFMからAMに切替えた。するとザザっという雑音の後に
「
雑音混じりの放送にさらに雑音がかかり、最終的に聞こえなくなってしまう。
そういえば、下の階が静かだ。こんな状況ならば、両親は大慌てだろう。じゃあ、なんで静かなのだろうか。まさか…
そう思って、閉じていた自室のドアを開ける。するとそこには、僕と同じ身長。160cmくらいの、全身が灰色で特徴的な卵を逆さにしたような形をした目を持ち、手元には剣でもない、銃に形は似ているが、人間が扱うような拳銃やライフルとは違う何かを持つ『何か』と目が合う。
体からさぁっと、血の気が引くのがわかった。
目の前にいる『何か』がその銃のような『何か』をこちらに向けてくる。
「う…うわあああああ!」
僕は声にもならない叫び声を上げ、その場にへたり込む。
「夢なら早く覚めてくれ」そう心の中で願う。
直後、体に大きな衝撃が走り、鈍痛が体を襲った。熱で体をじわじわと焼かれるような、経験したことのない痛み。
直後、僕の意識は飛んだ。
宇宙からの来襲者 犬飼 拓海 @Takumi22119
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