第103話 【第三部終了】設定振り返り回

◆◆◆ 第三部終了です。作者ですら忘れそうなので、舞台と人物設定を振り返ります ◆◆◆


【舞台設定】

 中世ヨーロッパの「ような」異世界です。あくまで「ような」でございますので、時代考証などはかなり滅茶苦茶です。中世にありえないもの、価値観などが現代に寄っているもの、などツッコミどころはたくさんございます。まあそこは「うん、これは、ファンタジーなんだよねっ!」とお許しいただければと。

 

【この物語の「聖女」は】

 「教会」は、西教会と東教会に分かれていがみ合っています。そのうち西教会にだけ存在する神聖魔法使いが「聖女」でございます。神聖魔法を駆使して妖魔を倒し病をいやし、民を救うお役目です。常に危険な戦線に立ち続ける、ブラックな職業であります。西教会にはシステマチックに申請魔法使いを育成するシステムが出来上がっているので、「聖女」を幾人も抱えています。

 第三部で主人公が暮らすことになる地域は東教会のテリトリー。住民たちは初めて見るストロングスタイルの「聖女」に、感激するのです。


【魔獣と妖魔】

 この物語では、以下のように呼び分けています。紛らわしくてすみません。

「魔獣」 姿は獣だが知性高く、高位になると魔法まで使うスーパーもふもふ。

「獣人」 魔獣と人間の混血、またはリザードマンのように一族すべてが魔獣と人間の中間的性質を持つものたち。

「妖魔」 いわゆるモンスター。魔獣と違って仲良くはなれません。

「害獣」 いわゆる普通の野獣。 猪、熊、狼など……


【お国紹介】

◆ロワール王国

 中世フランスに似ていますが、あくまでフランスではありませんw お家騒動のとばっちりで主人公を追放し、あまつさえ命まで狙っていた国。現在第一王子派と第二王子派が絶賛王太子の座を狙っていがみ合い中。三部ではこの国のイベントが登場することはありませんでした。


◆バイエルン王国

 ロワール王国の北東に位置する「森の国」。中世ドイツに似ていますが、あくまでドイツではありませんw こちらの国は後継者が第一王子に定まっていますが、納得いかない第二王子派がなにかと暗躍しています。ロワールは獣人差別の厳しい国でしたが、この国ではそれほど獣人や魔獣に抵抗感がないようです。

 通貨は マルク。概ね1マルクを1万円ととらえていただければと。


◆アルテラ帝国

 バイエルン東に国境を接する騎馬民族の国。完全に作者の虚構でできた国ではありますが、まあハンガリーをイメージして頂ければよろしいかと。とにかく好戦的な、武断の国。騎兵は大陸最強で、しょっちゅう主人公の住むバイエルン東部を荒らしに侵入してきます。


◆モンフェラート帝国

 まあ、イタリアをイメージしてください。名前しか出てきません。


【人物紹介】

◆シャルロット・ド・リモージュ ⇒ シャルロッテ(ロッテ)十六歳

 主人公です。ロワールではリモージュ伯爵家の次女にして、聖女でした。第一話で聖女をクビ、伯爵家から追放、第二王子との婚約破棄と、この手の追放モノにありがちな袋叩き状態をすべて経験していますw

 規格外量の魔力を持っていますが、「聖女の力」には何の役にも立たないどころか、それを妨げるものです。魔法の発現には何の役にも立たないけれど、魔獣や獣人の傷を癒し、その戦闘能力を数倍に高めるという、チートではあるのだけど使い道の偏った魔力なのですね。

 聖女としては平凡だったはずですが、一緒に暮らす獣人たちに邪魔な魔力を吸い取ってもらうようになってからは、聖女の力も絶賛成長中。本人は、ついついデキる聖女である姉と自分を比べてしまうので、聖女としての自分を過小評価しています。

 ロングの黒髪にこげ茶の瞳で「神秘的美少女」ではありますが、超絶美人の姉がいるため「地味美少女」の地位に。体型はスレンダー……ようは貧〇。性格は天然系で明るいのですが、流されやすくて、実によく泣きます。恋愛についてはうぶで純情で、自分への好意に対し極めて鈍感。

 なお、やたらとトラブルを引き寄せる体質ありww


◆レイモンド・ド・リモージュ 十八歳

 主人公の愛する「姉様」。リモージュ伯爵家の長女にして首席聖女、かつ第一王子フランソワの婚約者。色濃い金髪にラピスラズリの瞳、派手系超絶美人。ロッテと違って、お胸も豊か。聖女としての能力は王国内でダントツ、他の追随を許しません。すべてを持って生まれてきた系のスーパー聖女ですが、妹が何より大好き、すべてに優先して甘やかします。

 第二部まではとっても出番が多いお姉様でしたが、第三部では、数十年ぶりの「大聖女」になった、という話題で出てきただけでした。第四部ではさらに出番が・・?


◆ヴィクトル 年齢不詳

 獣人ではなく、魔獣です。サーベルタイガーの森にて次期族長であったはずが、鈍感天然聖女に惚れてしまい、放浪の旅に同行しています。必死で天然鈍感主人公ロッテに尽くすも、まったく想いを理解してもらえない報われない系ヒーローでしたが、第三部ラストになってようやく振り向いてはもらえたようです。さて、これからどうやって距離を縮めていくのでしょうか。むしろ、警戒されちゃうような気も?

 高い魔力を持っているので、人化の業が使えます。変化するとメッシュ入り金髪に金の瞳を持つ、超絶美青年。なぜか好かれてしまった稀代の魔剣グルヴェイグを振るい、戦士としても懸命にロッテにアピールするのですが……。


◆クレール ⇒ クララ 十九歳

 主人公の侍女にして、魔狼とのハーフ獣人。主人公に従って、どこまでもついていくと宣言する、純粋で強靭な精神を持つ娘です。灰色の髪に翡翠色の瞳。クールビューティー系美少女です。狼に変身する能力を持ち、やたらと戦闘能力高いです。

 主人公ロッテの為なら命でも捨てる忠実な侍女です。忠義のご褒美は、魔力補充を兼ねたご主人様との「大人のキス」なのですが。


◆カミル 十歳

 火竜とのハーフ獣人。奴隷として売られる途中盗賊にとらわれボコられたところを主人公に救われ、すっかり懐いてしまいました。燃える赤毛と茶色の瞳のショタ美少年でしたが、日に日に成長しています。火竜に変化すれば戦闘系スキル最強ですが、炎のブレスでは森を山火事にしてしまうので、ひたすら自重。主人公ロッテに執着中ではありますが、ヴィクトルの優先権は認めているようです。どこかで逆転を狙っているかも?


◆ビアンカ 十二歳

 サーベルタイガーとのハーフ獣人。えっちな奴隷として売られる寸前で盗賊にとらわれていたところを主人公たちに救われ、ついていくことになります。亜麻色の髪にエメラルド色の瞳。ほんわか系美少女です。初出時はやや暗めキャラでしたが、いまやすっかり明るい娘に。極端に走りやすいロッテ一家のキャラの中では、バランスの取れた常識人としての立場を徐々に確立しつつあります。


◆アルフォンス 十九歳

 ロワール国第二王子。望まずして第一王子と後継者を争う立場にされてしまったイケメン殿下。ハメられた主人公をとるか、国をとるかの選択で後者を選んでしまったため、ヒーローの座から陥落。第三部ではまだ主人公が未練たらたら思い出したりしていますが……再浮上できるのでしょうか?


◆アマーリエ・フォン・ハイデルベルグ(マーレ) 二十歳

 ハイデルベルグ侯爵の次女。紅茶色の髪に切れ長の青い眼、長身に騎士のいで立ちを颯爽とまとう「男装の麗人」。王太子直属騎士ですが、第二王子のお守り役に出向させられていたとき、主人公と出会います。なぜかロッテと意気投合し、第三部以降一番の親友ポジションを占めます。


◆アルノルト

 ヴァイツ村にある軍事基地所属の、会計監。騎士ダニエルと共にオーグルに襲われていたところをロッテとヴィクトルに救われました。ふとした会話から基地司令官の悪事に気付き、それを暴くために危ない橋を渡るようになってゆきます。


◆ダニエル 姓は不詳

 同じくヴァイツ村駐留軍所属の騎士。


◆マルクス

 バイエルンの第二王子。国政には興味が無く、ちやほやされたい中二病が高じ、冒険者の真似事をしていますが、役立たずの典型です。


◆ルートヴィヒ

 バイエルンの王太子。第三部ではマーレのご主君として名前が出るのみです。


◆グルヴェイグ 年齢という概念無し

女神の名を冠した魔剣に宿る魂。持ち主と認めた者以外が剣を手にすると、その身を焼くという激しいヤツです。ヴィクトルを主と認め、その想い人ロッテも結構気に入っている様子。


【第二部までの主要人物 第三部出番なし】

◆フランソワ 二十二歳 

 ロワール国第一王子。

◆セドリック・ド・ベルフォール 

 辺境伯。第二部でロッテに肩入れしたために、美味しい出世をした渋いおじ様。

◆モルトー子爵

 第二部悪役の辺境領主。ロッテを裏切るもあっさり敗退。領地も職位も失います。

◆お父ちゃん、リディ

 第二部でロッテに協力したリザードマン父娘。


【作者のつぶやき】

 早いもので、すでに第三部終了でございます。本当にじわりじわりと、読んでくださる方が地味に増えて、とっても嬉しいです。

 バイエルン編、いかがでしたでしょうか。第四部でも流されやすい主人公が、バイエルン国内のあっちこっちで騒動に巻き込まれますよ!

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