邂逅

 突然外の庭で大きな音がしたので


 私はベッドから飛び起きて、何だろうと思い


 窓のそばにいって、雨戸を開けた


 降ったばかりの雪の上に


 月が昼間のように光を投げていた


 すると目の前になんと


 小さなそりと八頭のトナカイが見えて


 御者が元気なおじいさんだったので


 サンタクロースだとすぐにわかった




 目を開けば、そこには異様な景色が広がっていた。

 場所は、日本。大丈夫。連れ去られたり暴行されたりした様子もない。

 問題なのは今俺の目の前にいる、「なにか」。

 四つん這いになり、歯をむき出して、今にも噛み付こうとしている生き物。特徴だけ捉えれば犬のようだが、容姿はまるっきり違う異様な存在。

 まず体毛が無い。むき出しの皮膚は寒さによるものなのかピンク色に染まり切っている。

 そして顔。これはまるで・・・・・・人間じゃないか。

 そんな歪な「なにか」が今俺の前にいる。目に常軌を逸した殺意と狂気を孕んで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る