第45話 シャイニングとスターライトのレッスン~マンガ肉~


「よっしゃァ! 先に帰ってますよ師匠!」

「シャーク!」


 型の訓練が終わった。二人は滝壺から飛び出した。

 トミカは疲弊した熊くんを背負っている。それで崖から崖へ、身軽に駆け上っていくのは、特訓とマツリ玉のめざましい成果だ。

 エンジンともいえる、心臓の心拍数は、この激しい動きのなかで平常値をキープし続けていて、足のサスペンションもバツグン。熊くんにはリムジンのような乗り心地だ。しかも飛び出してきて川ザメへ目にもとまらぬ手刀を打ちこんで撃退した。


「明日だ!」

「明日!」


 樹上を飛んで猿の群れを追い越し、霧の中のサメたちを空中制御で躱す。らせん階段でも上るみたいに楽々と、森で一番の巨木を駆け上る。トミカは木の実をもぎ取ると背中の熊くんへ分け与えた。

 食べ物を分け合うということは動物界において最高の友情表現である。


「遠慮すんなよ。最初お前は俺らを喰おうとしたけど、俺らも最近までお前のこと喰おうかと思ってたからな」

「『熊ってどっちかっていうと真っ当な食い物の部類だよな』ってよく話し合ってたんだ」


 ハンサムもそう言ったので、熊くんは「えっ」という顔をした。

 果実を三口ほどで食べ終えると、巨木から飛びおりた。二人と一熊で手をつなぎ、輪になって回転する。すると遠心力や空気抵抗、その他もろもろの力によってゆっくり落下できるのだ。シャイニングの元で自然界の力の使い方を学んだ成果だ。

 花弁のように風に乗って、森の低い方へと緩やかに落下していると、山道を走行するスターライトたちが遠く見えた。トミカが上空から声をかけた。


「すげー知らせがあるぜ。帰ったら聞かせてやるからよ!」

「なにー?」


 もう一台の三輪バギーから手を振っているのはアリシアである。彼女もずいぶんたくましくなった。今では、自分で運転して山中を跳ねまわって、マツリ玉の材料を集めている。その途上で様々な経験をしたようだった。

 伝説の巨大ウナギと沼ザメとの三つ巴の戦い。絶壁に建つ謎の冒涜的オブジェ『ショーベン=コーゾー』。日本の探検家フジワラとの友情物語。超巨大ザメの骨格で出来た遺跡の奥に眠る、縄文時代の剣。などといったスペクタクルは、しかしここでは割愛する。ともかく、彼女の助けもあって食材およびマツリ玉の素材は日増しにグレードアップしていったのだった。


 遭難者もまだ森にいた。

 彼はマツリ玉をもらうのが恒例になっていた。この日はハンサムが進み出て言った。


「俺に任せて。修行の成果を試したい」


 レモンはないので、彼は野生のゆずをもぎ取った。

 距離は十メートルより近い。

 マスクをつけていなかったが、相手はハンサムをハンサムだと認識しなかった。彼が顎をしゃくらせ、姿勢も変え、ハンサムぢからを押さえていたからだ。スターライトとの特訓の成果である。

 表情とポーズの妙によって、遭難者にはハンサムが顎のしゃくれたプロレスラーに見えているのだ。

 彼はゆずを空中に投げると、くるりと回転して擬態を解いた。


「シャーク!」


 掛け声とともに力強いポーズを取って、落ちてきたゆずを顔の側でキャッチ。柑橘類の爽やかな香りを漂わせつつハッと笑いかけた。

 押さえられていたハンサムぢから燦然さんぜんとほとばしる。


「ハッ! ハンサム!」


 威光に撃たれた遭難者がひっくり返る。しかし彼は無事である。吹っ飛んだことによりビッチ器官の範囲外に出ていたのだ。無論、そうなるようにハンサム力をコントロールしてポージングしたのだ。いわばハンサムによる峰打ちである。

 なお。熊くんもハンサム、という顔をした。トミカは慣れているので鼻をほじっていた。


「やっぱあの特訓、俺は必要だったか?」

「センスを鋭敏にするために必要なんだってさ。スターライトのことだから嘘だと思うけど」


 彼らがそんなやりとりをしていると、遭難者が起き上がった。綺麗な目をしていた。


「ふう。なんだか長い夢を見ていたようだ。くだらないうぬぼれのために森へ入ったことがバカみたいだ」

「おう、もう帰れ帰れ」

「そうしよう。街が恋しい。人はなぜ争うのだろうね?」

「知らないよ……」


 熊くんに送られて遭難者は帰って行った。たぶん、ちゃんと帰れた。

 ハンサムたちも走って寺へ帰った。


「明日だ! 今日は早く休まなくっちゃあな!」

「俺らも街が恋しいぜ!」


 明日、これまでの成果を試すテストがあるのだ。合格すれば下山の許可がもらえる。



 ハイハイハイハイ波ァッというのは、マツリとアリシアが掌底の連打で、空間上の一点へ栄養素を凝縮させる、その際の掛け声である。

 結果、マツリのへ手のひらの上に青白いエネルギー弾のごときものが形成されていた。ギュイッギュイッというエネルギー弾特有の音が響いている。掌底で空間上に栄養素を凝縮させる、という文言が現実的にどういう行為を指しているのかは、彼女たち以外誰にも分からないだろう。


「出来た……この山の秘境だけで採れる特殊食材と新鮮なお寿司の栄養素だけを抽出することに成功したよ!」

「分かるよ……栄養のバランスが良くないとここまで綺麗な球体にはならない。圧倒的栄養素によって浮いている……やったねマツリ。これを究極の兵糧丸『マツリ玉・スパーキン』と名づけよう」

「アリシアのおかげだよ」

「やめてよ。私は山菜採りと、あとはエネルー弾が安定するのを手伝っただけ。ところであんたたちなんだっけ?」


 アリシアが振り向いた。

 このまったく理解できないやりとりを、ハンサムたちは母屋の入り口に立ったまま目を細めて聞いていた。


「あ、うん。修行が一区切り着いたっていうか。眩しっ」

「おお……明日テストしてもらう事になったんだよな……眩しい」

「へえ。頑張ったんじゃないの」とアリシア。

「修行を始めてたった三週間なのにスゴイね!」マツリは顔を輝かせた。

「ああ……どうも……マツリ玉、眩しっ」

「お前らの方がすごいんじゃないかな……」


 ともかく明日はテスト。


△△△


 まだ霧の立ちこめる早朝からテストは始まった。

 舞台は、チェーン宋寺ソウじ内の一角で行われた。

 人工池、小島、美しい岩を配し、ミートバーグの隠れた名産、青みがかって美しい『アルバトロスナ』を敷き詰めたみやびな石庭である。


「普段は足を踏み入れるような場所ではないが、修行の成果を確かめるにはちょうどいいだろう。砂利を敷き詰めてあるから、見苦しい足さばきはすぐに分かるぞ」


 スターライトが言った。

 マツリとアリシアも見守っている。トミカとシャイニングは滝壺にいるはずだ。

 テストには熊くんおよび森の動物たちが協力してくれている。


 ハンサムの立つ石庭を囲むように、熊くん、鹿くん、猿くんたちが座って、その前に「いいですボタン」がおいてある。エレクチオン信号発生マシーンの数は十二個まで増えていた。


「みんな! 一応十メートルは離れて見ててくれ。ハンサム力を解放する!」


 ジャニ専用のコスチュームに身を包んだハンサムが宣言する。

 しゃくっていた顎を正し、立ち方も変えた。たちまちしゃくれレスラーの姿が消えて、神々しいばかりの好男子が姿を現す。


「ま、眩しい」


 アリシアが目をおおった。無論、ビッチ器官は反応しない。射程の外でもあるし、そうならないようハンサムぢからを調整していた。

 スターライトPは満足げに頷いている。


「よろしい。よどみなく力強いハンサムぢからが大河のように流れているのを感じるぞ」

「プロデューサーのおかげです。これがジャニなのですね」

「それがジャニだ。ではテストを始めるが、分かっているな? ライブの随所で熊くんたちが『いいですボタン』を押す。するとサメ化が起こるが、キミはあらかじめ察知して、肉体が変化しきる前に距離を調節するのだ」

「はい!」

「例えば銃のことを考えろ。発射されてから銃弾を曲げる事は誰もできないが、軍人はそんな兵器を使いこなしている。銃弾がどこへ飛ぶかは、発射する前にコントロールすればいいのだ。侍のチェストも、薬剤師の扱う薬品だってそうだ。あらかじめ効果を把握し、必要な場所に必要なだけ力を振るうのだ。サメも同様だ」

「はい――熊くん、森のみんな、協力してくれてありがとう、君たちを絶対に傷つけない。それがジャニだ」


 ジャニっぽい発言に、動物たちが歓声を上げた。霧のなかからも聞こえるのは、庭の外にも動物たちが押し寄せているからだ。


「ではテストを開始する。確認するが、これは合意の上の行為であって虐待では決してない。かの仏陀も鹿を相手にレッスンをしたという。これは道徳的にも問題の無い行為! そうだな?」

「ハイ!」


 道徳の問題もクリアして、サメ人間と森の仲間たちのライブが始まった。

 勇ましく、それでいて華やかなジャニ専用の楽曲が山中に響く。

 曲に合わせて、動物たちが前足でボタンを押す。霧のなかだから、装置の発する虹色の光が幻想的に滲んだ。

 光のなかで踊る姿はまさにジャニ。

 ハンサムが腕を突き出すと、動物たちは歓声を上げる。

 腕がサメの口に変わって奔るが、決して動物たちへは当たらない。

 ハンサムが虚空を蹴り上げる。

 動物たちが地面を踏みならす。

 サメの牙が鳴る。噛み合わさった歯から火花が舞い散る。


「分かるぞ……サメの体の射程が。ハンサムの使い方が!」


 ステップを踏む。

 動物たちがメトロノームのように頭を揺らす。

 くるっとターン。

 動物たちもターン。

 情熱的に歌う。手を打ち鳴らす。

 動物たちも鼻を鳴らす「フッフー」


「サメの体が自由自在だ! サメはフリーダム!」


 レッスン通りの、いやそれ以上のパフォーマンスが続いた。ライブの空気が彼の実力を引き上げ、彼のパフォーマンスが場をさらに盛り上げる。

 ローリング。抱きしめるポーズ。

 シャボンのように舞い、フェロモンの風を吹かせる。

 伸ばした手のひらに蝶が集まる。

 すべてが観客たちの心を撃ち抜いた。

 熊くんが歌う。

 お猿が手を叩く。

 鹿くんたちのウエーブ。

 鳥さんたちが空から花をまき散らす。

 マツリとクイントの応援が聞こえた。アリシアもお猿のように手を叩いている。

 霧のなかに光が揺れるのは、森の動物たちが支給されたサイリウムを振っているのだ。

 もはやチェーン宋寺は興奮の坩堝るつぼ。ノンストップチェーン宋。

 装置から放たれる光のパターン。

 サメの牙から散る、五色の火花。

 蝶の群れ。

 花。

 ハンサムのダンスが佳境を迎えた。観客たちのテンションも呼応する。完全な一体感だった。自分は独りではない。このステージは皆で作り上げたのだ。こんな世界を教えてくれたスターライトPを、ハンサムは限りない感謝をこめて、見つめる。

 嗚呼、スターライト。

 最後のポーズが決まると、曲も終わり、あらゆる動物たちが息を潜めた。霧が晴れて朝日が射し始めていた。熊くんたちには傷ひとつ無い。

 スターライトPが進み出て、石庭の地面を見聞する。

 感嘆すべき事が起こっていた。

 青白く美しい砂地に乱れはなかった。それどころか、ステップと、サメ化した手足の風圧によって、美しい砂紋さもんが生じていた。それは見事な、蓮の花の模様を描き出していたのだ。スターライトの柏手かしわでが響く。


「見事! 枯山水かれさんすいならぬサメ山水というわけか!」

「スターライトさんの柏手が出た!」アリシアが小さな叫びを漏らした。

「スターライトP……それじゃあ――」

「うむ。合格だ! ジャニさんでもOKを出したことだろう!」


 皆が喜びの声を上げる。ハンサムも手を振って応えた。


「ありがとう、スターライトP、ありがとうみんな。みんな大好きー」

「サイリュウムを投げないでくださーい」


 歓声はいつまでもやまず、アリシアと熊くんが止めに入らなくてはならないほどだった。それに応じながらハンサムは落ち着きのない様子でスターライトへ近づいた。


「すみません。祝福してもらってるとこ悪いけど――」

「トミカの様子を見に行きたいんだな? 行ってこい」

「ありがとうスターライトP!」


 さっそく、ハンサムはトミカ達のいる滝目指して走り始めた。


 スターライトが小さく呟いたのは彼の姿が見えなくなってからのことである。


「合格したか。ならば話さないわけにはいかなくなったぞ、シャクティ……お前と『彼』のことを」


△△△


 トミカは滝壺のなかへ分け入って、呼吸を整えていた。彼の目の前には小山のような滝がそびえ立ち、轟音を響かせている。


「トミカよ。準備はいいかね」


 シャイニングが厳かに告げる。

 集中しきったトミカはわずかに目配せを返しただけだった。


「いいぞ。雑念を捨てて流れに身を任せるのだ。力も技も、すでに必要なだけ備わっているのだから」


 流木が落ちてきて頭をかすめたが、彼は瞬きさえしなかった。

 師は彼を試すかのような質問を投げかけた。


「力を得てどうする。何に使う?」


 エメラルドグリーンの瞳に、一瞬、憎しみの炎が揺れた。だが、彼は首を振って言った。


「テストに合格したら、豪勢な晩飯を振る舞ってもらえますかね?」

「ああ。娘たちが腕を振るう予定だ」


 トミカの口元がほころんだ。


「あいつ、喜びますよ」


 ハンサムのことだ。そのとたん、シャイニングは気合いとともに開始を告げた。


「今だ! 打ちたまえ!」


 考えるまもなくトミカは駆動した。染みついた型が身体を動かしたのだ。拳が天を突く。


「チン――ポゥ!」


 放ってから彼はその事に気づいたようだった。気づいた時には動作は完了していた。想像したような反動すらなかったことが不思議な様子だった。

 衝撃波が瀑布ばくふに逆らって登っていく。空を貫くその姿はまさにドラゴン。シャイニングは手を打って叫んだ。


「見事! SHARK神流の骨子、会得しおった! 掛け声は改善してほしいけれども!」

「……俺が?」


 目の前から滝が消えて、岩肌が露出していた。


「……できた、のか? 俺がこれをやったのか?」

「まぎれもなく」


 シャイニングが頷いて見せたとき、ハンサムが到着した。


「トミカ!」

「おお!」


 トミカは滝壺から飛び出していった。自分の手柄を報告しているようだ。


「先に帰っていたまえ!」

「約束、忘れないでくださいよ!」


 シャイニングは目を細めて見送った、が、二人が見えなくなると、ふいに憂鬱な表情になった。

 彼は街の方角へ首を巡らせると、まるでその向こうに誰かの姿でも見ているかのように、何事かを呟いたようだった。

 轟音が鳴った。逆流した水が、今になってようやく降り注ぎ始めたのだ。


△△△


 約束通り、その夜は宴になった。

 寺から少し行ったところに月見台がある。そこへ料理とバーベキュー一式を運んだ。月見台からは、街を一望できた。

 じゅああああああああっというのは、木の焼ける音と、それを見つめるハンサムたちの叫び声とのハーモニーである。


「あんたらそんな近づくと火傷するよ」

「あああああああああああッ」

「あああああああああああッ」

「聞いてないし」


 バーベキューの他にも料理は置き場に困るほどだ。

 たっぷりのチーズをのせた黒パン。ミートボールのスパゲッティ。バーモンドカレー。クラゲのように柔らかい謎の煮物。ニシンパイ。ラーメン。どら焼き。

 そして何より今晩の目玉は「This is マンガ肉」と言ってアリシアが出してきたもも肉である。炙った表面はパリパリ、歯を立てると身は桃のようにジューシー。何よりでかい。

 飢えに飢えた二人は、顔を押しつけるようにして、口いっぱい頬ばった。

 喜びの叫びは耐えることなく、宴は続いた。


 大人たちは酒を飲んでいる。シャイニングはめったに飲まないらしい。

 アリシアが端末で、テレビ放送を見ている。ハンサムたちは久しぶりに下界のニュースにふれた。

 北極近くで、奇妙な白鯨の死体が見つかったと報道されていた。サメに食い荒らされているらしい。


「サメがやっつけたのかな」とハンサム。

「でけえな。師匠なら鯨も倒せるか?」

「鯨は捕って食べたことがないねえ」

「今度あたしたちにも見せてよ、滝割るところ」

「いや覚えてねえんだって。もう一回って言われてもなあ」


 そういうものさ、とシャイニングは言った。


「今日成し遂げたことがまたできるとは限らない。しかしそれが実行可能なことはハッキリする。次からは、一度できたことを身につけるための修行が始まるのだ。そして身についたならまた新しい境地が見える。その繰り返しだ」

「先は長えなあ」

「おいおい、そんなに簡単に習得されては我が道場は商売あがったりさ!」

「お父さんったら。もう潰れてるじゃない」

「こいつは一本取られたな!」


 バッファリン親子は笑っている。


「これは笑っていいヤツなのか?」

「こんなに楽しいのに笑わない理由があるかね」


 そうやって笑うと、シャイニングの目尻には皺が深かった。

 宴が進んだ頃、鉄板の焦げを掃除しながらアリシアが呟いた。


「テストが終わったってことは……どうなるの? 私、もう少しここにいたいな」

「そうもいかねえだろ」とトミカ。

「なんで?」アリシアは食い下がった。

「なんでって――」


 トミカはハンサムと目配せする。彼がジミー妥当の計画を話したのはハンサムにだけだ。アリシアは察したようだった。


「やっぱり。何か隠してるよね?」

「このニシンのパイ? これウメえな。作ったの誰だ?」

「私が作ったってさっき言ったし、あんたそれ嫌いって言ったし」

「あー……」

「ごまかさないで。もしかして、転校してきた理由と関係ある? ここで死ぬようなトレーニングしてるのもそのため?」


 アリシアの目は真剣だった。さすがにもう「関係ねえ」とは言えないのか、トミカは黙って頭を掻いている。


「ニシンのパイはおじさんのリクエストだよ。ジミーのおばあちゃんが私たちによく作ってくれた」


 みんなが一斉にシャイニングを見た。今までにない口調だったからだ。眠り込む前のような、あるいは悲しい夢を見た後のような、湿っぽい声だった。


「ごめんね。話の腰を折って。酔っているからね。眠りこんでしまう前に、話しておきたいことがあるんだ。こんな機会はもうないかもしれないから。私とジミーの過去についてはなそう」


 トミカが身体を震わせた。

 こうしてシャイニング・バッファリンは過去を語り始めたのだった。



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