仲の悪い君に恋

髙橋凛杏

仲の悪い君に恋

「オレの勝ち〜!」

「うわっ、負けた〜」

私、雪星鈴は、桜井蘭との勝負に負けてしまった

その勝負とは、私達の家から学校まで走って、最初についた方が勝ちというゲームです

悔しい〜!

蘭に負けるなんて、ムカつく〜

と思い私は、ジャンプをした

床に八つ当たりをするように強く飛んだ

「悔しいか〜、鈴

明日、またやってもいいんだぜ

オレが勝つかもよ!」

蘭が挑発するように言う

うわっ

完全にムカつく〜‼︎

なんでこいつにこんなイライラすんの⁉︎

私達は、幼馴染で昔は、毎日仲良く遊ぶ、優しい奴だったのに、今は、こんな苛つく奴だなんて本当に何があったの⁉︎

「本当に飽きないね

で、蘭とは、何があったの?」

心配してくれる優しい友達、桃川はゆちゃん

はゆちゃんに今日の朝の事を話した

「それは、苛つくね」

「そうでしょ、そうでしょ」

と私は、はゆちゃんと同じ意見だったので頷いた

「でも、、、」

と言い、はゆちゃんはニヤニヤと言いながら、続きを耳元に言った

「本当は、鈴ちゃんの事が好きでやってくるのかもよ?」

えっ?

「蘭が私を好き?」

と私は、はゆちゃんに確認するかのように言う

「そうかもよ?

私は、葵が姫の事が好きだって事に気づいて手伝ってあげたんだよ?

私ねぇ、そう言う事に強いんだから」

とはゆちゃんが言う

確かに、はゆちゃんが葵の恋を手伝ったのは、私も知っている

クラスのみんなが噂をしていたからだ

確かに信じられる

でも、、、

「そんなのが本当だったら、なんであんな事をするの?

前の優しい蘭の方がまだ良かったのに、、、」

と私が言うとはゆちゃんが

「それって、、、」

と言う

「ほら、朝の会始めるよ〜

でも、その前に先生から嬉しい話がありま〜す」

私は、先生が入ってきたので急いで自分の席に戻った

嬉しい話?

例えば、テストが無くなったとか?

でも、そうゆー話は、先生にとって嫌な話だ

そのついでに、あやめ先生が元気に言うはずがないよ

てことは、本当に私達に嬉しい話で、あやめ先生も元気になれる話

そういえば、あやめ先生って、恋愛話が好きだったけ?

てことは、、、

と私は嫌な予感がした

「嬉しい話ってなんなんだよ!」

とクラスの男子、衣月が言う

「それはねぇ、席替えをするからで〜す!

そ、れ、も、好きな人と隣ですよ〜!」

「嘘でしょ⁉︎

席替えをするの?

それも好きな人と隣⁉︎

やばい、やばい!」

先生が言い終えた後に衣月がはしゃぐように言う

ハァー

と私は、一人でにため息をつく

よかった〜

先生の事だから、今すぐ彼氏、彼女を作りましょう!と言うのかと

えっ?

なぜかって?

今のところ、葵と姫、レオとはゆちゃんが両思いで、それに6年生の終わりに近づいてきているから

「なぜ、ため息をついているのですか?」

前の席に座っている、唯ちゃんが後ろを向きながら、私に聞いてくる

「えっ」

と私は、驚く

あれっ?

声に出てた?

「委員長!

何やってるの!

今は、先生が話をしているのだから集中しな!」

と衣月が言う

「何を言っているのですか!

あなたこそ、先生の話を無視をしているのではないのですか?

私の事を言える立場では、ありません!」

と唯ちゃんが衣月に反論する

あの衣月に反論するなんてすごいよ!

私達みたい言い合う仲かな〜?

でも、私はその事を深く考えなかった

その理由は、先生の話だった

好きな人と隣で〜すと言うのに違和感を覚えた

もしかして、この好きな人は、女の子同士、男の子同士ではなく男の子と女の子同士なのでは?

なぜか私は、冷静になった

朝のは、あいつが勝負を持ってきて挑発するから、頭に血が上ったから、怒った

あいつが挑発するするのが悪い

と一人いろいろと考えていた


その頃、蘭は


前の優しいオレの方がまだ良かった?(朝の事を勝手に聞いていた)

嘘でしょ⁉︎

優しい、オレ、、、

難しいな、鈴の気持ち

オレは、昔から好きだったのに、、、


その頃、はゆは


鈴ちゃんは、前の優しい蘭の方がまだ良かったって、言っているけど自分の本当の気持ちに気づいてない

これは、今後が気になるな〜

ていうか、蘭はいつまで黙っているつもりなんだろう?

幼馴染だから、結構前から好きだと思うんだけど(当たっている)

とはゆは、思っていた


席替えの時間


「朝の話では、言ってなかったけど、男の子と女の子同士で〜す」

予想が当たっていた〜

「嘘でしょ⁉︎

朝、盛り上がっちゃった

男子同士で隣になれると思ってたのに〜!」

と衣月が言うとクラスのみんなが笑い始める

私もその一人だ

「はいはい」

と先生が手を打って言う

「では、女子は目を閉じて伏せてください

女子は、その場所から動きません

動くのは、男子だけです

では、動いてくださ〜い」

「やばっ!

これ、恥ずかしいやつ!

好きな人がバレる!」

と龍が言う

龍の一言だけでクラスのみんなが赤くなる

でも、先生はその事を考えていたらしく、バレたかーと声に出していた

でも結局、男の子は静かにして好きな人の隣の席へ移動した


「は〜い!

女子のみなさ〜ん、起きてくださ〜い!」

と先生が言い、女の子のみんなが起きて、隣の席を見た

私も隣にいる人を見た

そこには、、、

「よろしく、鈴」

と蘭が言う

そう、そこには、蘭がいたのだ

唯ちゃんは、隣に衣月がいたのか、驚いている

龍は、咲菜ちゃんの席の隣にいた

咲菜ちゃんも驚いている

でも、私は、そこまで驚かなかった

朝の事があったからだ

本当に蘭は、私の事が好きなんだ

そう思うとドキドキしてくる

私は、そう思うと顔が赤くなった


鈴が顔を赤くする

顔を赤くしやがって、可愛い奴め

オレは、そう思った


「その場所でいいですね

では、帰りの準備をしてください

5分後、から始めるよ〜」

と先生が言い終え、みんなが動き始める

私も動き始めた

ランドセルを取りに行き、机へ持っていった

あれっ?

いつもの音がしない?

私のランドセルには、幼稚園の頃に蘭から貰ったキーホルダーをつけていたんだけど、その音がしない

私は、そう思い、キーホルダーをつけているランドセルの横を見る

見てみたけど、そこには、鈴蘭の可愛いキーホルダーが無かった

えっ?

なんで、、、?

私は、言葉を失った

でも、それに蘭が気が付いたらしく、聞いてくる

「鈴、どうしたんだ?」

優しく、蘭が聞いてくる

「鈴蘭のキーホルダー、無くしちゃった、、、」

と私は、弱々しく言う

「探そうぜ!

鈴!

思い出のキーホルダーを!」

「でも」

と私が言う

申し訳ないよと続きを言おうと思ったけど

「ら〜ん」

と蘭を呼ぶ声が私の席から斜め前から聞こえてくる

その声の人が後ろを向く

「そんなに大切ならぼく達が手伝おうか?」

と衣月が言う

ん?

ぼく達?

他に誰がいるの?

「私も手伝うよ」

と後ろを向きながら、唯ちゃんが言う

「今、2人の話を勝手に聞いてたけど

大切なんでしょ?

なら、人数が多い方が良いよ」

「ありがとう」

と私は、にっこり笑う

すると、蘭が見ていたのか、蘭の顔が赤くなる

なんで、アンタが反応する?

私は、唯ちゃんにむかって、笑ったのに

てか、なんで蘭の事を見てるの⁉︎

おかしいでしょ⁉︎

と1人、ツッコミ、顔が赤くなる

「ありがとうな

でも、帰る方向、オレ達と一緒か?」

と蘭が衣月達に聞く

そういえば、一緒だったけ?

「大丈夫だよ〜!

帰ったら、探すから」

と衣月が言い、唯ちゃんも頷く

「これから、帰りの会を始めます」

と日直の隅川結由が言う

あっ、やばい!

帰る準備してない!

蘭と衣月、唯ちゃんも準備ができていなかったからか、やばいという顔をしていた

衣月と唯ちゃんは、前を向いて準備の続きをした

私達は、大慌てで準備をした


「あった〜!」

と蘭が言う

「「「あったの⁉︎」」」

見事に私と唯ちゃん、衣月の声が重なった

今、探しているのが思い出の公園の入り口だった

「鈴!

オレは、鈴の事が好きだ!」

と蘭が鈴蘭のキーホルダーを渡しながら、告白してくる

探してくれてたから、オーケーしてあげたいな〜

「頑張っている、蘭の姿、かっこよかったよ

ありがとう」

とにこっと笑うと蘭が鈴蘭のキーホルダーを探してくれている姿が目に浮かぶ

そしたら、目から、涙が溢れてくる

「どうしたんだ!」

と蘭が私の所に来て、ポケットからハンカチを取り、涙を拭いてくれた

かっこいいんだから

と思い、私は蘭に抱きつく

「えっ⁉︎」

蘭の顔が赤くなるのを見なくてもわかる

私の顔も赤いから

私は、そのまま蘭の耳に小さな声でささやいた

「好き」

「オレも好き!

大好き!」

「私は、蘭と仲が悪いけど、優しく、頑張っていて、かっこいい

だから、好き!」

と私達は、好きと言い合う

なぜか今日は、楽しくて恥ずかしい

「これからもよろしくね、蘭」

「うん!」

この事は、一生忘れないよ

だって、仲の悪い君に恋をしたのだから

































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仲の悪い君に恋 髙橋凛杏 @anly

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