第2章 夏休みのできごと 1
烏団町に現れる
八月に入って間もなく、太陽がギラギラ輝き、暑い暑い日の事だった。駅のホームに電車が入ってくるとドアが開いた。
──ザザッ…
この町のJRのホームに不審な集団が降り立った。
「ここかあの異常現象の中心部は」
二メートルはある身長、シルクハットを被り丸眼鏡をかけた長髪の男──烏団団長の
「はい、そのようで」
助手の
「何日かかっても構わない、調べるぞ、必ず人智を超えた何かが起きてる筈だ」
「私もそう思います」
「くくく、何が出てくるか楽しみだ…」
『くくく』同行している構成員1、構成員2、構成員3、構成員4も一緒ににやけた。
7月の関東に災害をもたらした雨雲が一瞬に消えた事を不審に思い調べに来た集団だ。
全員が揃いの黒いシルクハットに加え、この暑いのに黒いマントを纏っている。どこから見ても不審だ。誰がみてもばっちり不審者たちだ。すごく、すごく、凄く目立つ。
「おい、助手のさかい」
「親方、だから
「うむ、もとい、助手のさかぐら」
「だから、何度言ったらわかるんですか、酒田です! もう10年も一緒なのに、なんでやんすかねぇ」
「うむ、わかった助手の酒くれ」
「かーもういい」ふてくされる酒田。
「行くぞ、まずは町役場だ」
「へえ、へえ、へえーいだ」
「こら! 助手の酒田。お返事は『はい』でしょう、お行儀良くなさい」烏親方が背筋をしゃんとして、酒田を睨んだ。
「ちぇっ、こういう時だけ…ううう…はい」
『はい! 』
四名の構成員たちも声が揃った。
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