54 召喚二体目と……
「次は……召喚――ホビットスモウレスラー!」
俺の呼び声に答えて、派手な演出とともにホビットの力士が現れた。
ホビットスモウレスラーが大きく四股を踏んで見栄を切る。
「鑑定」してみるが、こいつのステータスは戦ったときと同じままだ。
レベルは2941。
「おまえにも名前を付けてやらないとな」
相撲取りっぽい名前にしたほうがいいだろうか。
「そうだな……
外国人力士が出身地を四股名にしてたりするよな。
ホビットに他に相撲を取るやつはいないだろうから、種族代表と考えればぴったりだろう。
スモウレスラーはとても満足げにうなずいた。
《「堡備人海」は、命名により新たな力を手に入れた!》
Status──────────────────
堡備人海
ホビットスモウレスラー
レベル 2941
HP 294100/294100
MP 178660/178660
攻撃力 166334
防御力 96134
魔 力 38433
精神力 47315
敏 捷 52938
幸 運 100551
・固有スキル
【NEW!】土俵際
・生得スキル
相撲5 虚仮の一念5 徒手格闘強化4 魔力発勁2 身体強化魔法1
────────────────────
Skill─────────────────
土俵際
現在HPが最大HPの20%以下のとき、自分のHPが0になる攻撃に対し、鋭い直感が働くようになる。
────────────────────
《秘匿情報の公開条件を満たしていることを確認。》
Secret─────────────────
「土俵際」秘匿情報の公開条件:「凶暴化」「魔人化」「魔神化」等、発動により最大HPが減少するスキルを所持している。
報酬:「土俵際」追加詳細情報の公開。以下の情報が公開されます。
────────────────────
Info──────────────────
土俵際
一時的に最大HPが減少している場合でも、本来の最大HPに対して現在のHPが20%以下となっていれば、条件を満たしたものとみなされる。
────────────────────
「えっと……?」
使えそうなスキルを取れたのはいいが、秘匿情報の内容を咀嚼するのに時間がかかった。
「ああ、『魔神化』みたいなスキルと併用できるってことか」
「魔神化」は、
Skill──────────────────
魔神化1
(S.Lv×12)秒間、最大HPが20%になる代わりにそれ以外の能力値が10倍になる。
────────────────────
というスキルだな。
こういうスキルで一時的に最大HPが下がってるときでも、ステータス上の最大HPに対して現在HPが20%以下になってればオーケーということだ。
逆に言えば、「魔神化」を発動してる最中には常に「土俵際」が有効になるってことだよな。
俺にとっては「魔神化」に保険をかけるようなスキルになっている。
一見地味だが悪くない。
「戻っていいぞ、堡備人海」
俺は堡備人海を送還する。
……って、簡単に言ってるけど、こいつらはどこから現れてどこに消えていくんだろうな?
「さて、残るは『英霊召喚』と『幻獣召喚』だが……」
「英霊召喚」のほうはとても試す気にはなれないな。
なぜって、
Skill──────────────────
英霊召喚1
自身に縁のある死者を冥界から召喚し、使役する。召喚できる英霊の条件は、現世に強い未練があり、一定以上の力を持っていたこと。召喚される英霊のレベルは死者の死亡時のレベルとなる。
同時にS.Lv体の英霊を召喚できる。
召喚中は常にMPを消費する。MPの消費量は英霊のレベルとレアリティに依存する。
【現在召喚可能な英霊】
地獄の炎に身を焼かれる凍崎純恋の亡霊Lv2941 Cランク
────────────────────
……このスキルを試してみたいと思うか?
凍崎純恋以外の英霊を呼び出せるようになってからでも十分だろう。
Cランクの亡霊よりも布袋や堡備人海のほうが強そうだしな。
俺のメンタルヘルスを悪化させてまで性能把握を急ぐことはない。
「『幻獣召喚』は楽しみだよな」
Skill──────────────────
幻獣召喚
異界から幻獣を召喚する。召喚される幻獣の種類は召喚者の魂の在り方によって決定される。召喚された幻獣の変更はできない。召喚した幻獣は自由に送還・再召喚可能。召喚時にはMPを消費するが、その後はMPを消費しない。
────────────────────
「シークレットモンスター召喚」や「英霊召喚」とは違って、こっちは何が出るかわからない。
あっちが確定排出ガチャなら、こっちは正真正銘のガチャってわけだ。
とはいえ、特殊条件の厳しさ(自分よりレベルが400以上高いダンジョンボスをソロで倒す)から考えて、召喚されるものが弱いとは考えにくい。
「さあ、いくぜ。『幻獣召喚』っ!」
わくわくを込めてスキルを使う俺。
だが、返ってきたのは「天の声」の冷静な一言だった。
《召喚しようとしている幻獣に対して、空間の広さが不足しています。》
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