荒川区5

渋谷かな

第1話 荒川区5

「そういえば、キラキラがいないわね?」

 アップルは星の精霊キラキラを思い出した。

「私ならいるわよ! 私は星のリングと共にあるのよ!」

「なら星の指輪を壊したら、キラキラ、あなた死んじゃうのね。ニヤッ。」

「救世主が悪いことを考えるな!」

 星の精霊キラキラが現れた。

「なんなんだ!? こいつらは!?」

 オレンジは戸惑うしかなかった。

「開成賢者よ。我々が召喚したのは本当に救世主なのかのう?」

「はい。間違いありません。あれでも救世主です・・・・・・。」

 王様と賢者は救世主に震えた。


「さあ! 王様! 軍資金を寄こしなさい!」

「ええー!?」

「救世主様!? あなたは強盗ですか!?」

「何よ? 軍資金1万円くれる設定でしょ。」

 さすが2回目のアップル。

「残念! 今、救世主を始めた方は3万円開始キャンペーン中です!」

「なんですって!? やられた!? 2万円損した・・・・・・。」

「勝った! 私の勝利だ!」

「やりましたね! 王様!」

 王様と賢者は大いに喜んだ。


「いざ! 決戦の地! ララテラス南千住へ!」

「え? 初期装備を整えるだけじゃないの?」

「行ってみなさい。3万円なんてABCマートでナイキのスニーカーしか買えないから。その間に私たちはくら寿司でランチしてるから、後は別行動で。」

「つ、冷たい・・・・・・。」

 一人取り残されるオレンジ。


「気を取り直して買い物だ!」

 気合を入れる初心者救世主のオレンジ。

「まずは歩いても疲れないようにナイキの靴を1万円で購入!」

 オレンジは靴を手に入れた。

「次にユニクロでダウンジャケットとジーパンをゲットだぜ!」

 1万5千円のお買い物。

「はあ!? しまった!? 私は剣士見習いなのに剣がない!? 三菱重工は何処にあるんだ!?」

 自衛隊御用達である。

「ていうか、武器屋がないんだけど、どうすればいいんだ!?」

 ララテラス南千住に武器屋などない。

「仕方がないからQBハウスに行って髪型でもきれいにしておくか。身だしなみは大切だ。」

 こうして無駄遣いの限りを尽くしたオレンジはオシャレさんになった。


 そのころ、くら寿司では。

「あの! 注文した海鮮ラーメンがまだ来ないんですけど!」

「完全なクレーマーね。」

 救世主アップルの冒険はつづく。

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荒川区5 渋谷かな @yahoogle

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