2020/12/24 - 15:03
『ごめぇん、久留くん』
「なんだ」
『相手からこのタイミングで修正稿が来たって話、聞きたい?』
「……まっぴら御免だね。で、これ以上なにをどう変えれば気が済むって?」
『あいつら、お金返したくないってさ』
「…………ったく、クソみてぇな連中だな。こんなタイミングでこれでもかと信用を削ぎ落とす修正ぶち込んでくるとか頭イカれてるんじゃねぇか? 足元見てるってレベルじゃねぇぞ」
『至上最悪のクリスマスプレゼントって感じねぇ。本当に白ける。空気読めないにも程があるわよねぇ』
「……で、そっちの状況は」
『我妻さんがカチコミだーって息巻いてて、前園さんはもう茫然自失ってところ。今日はもう使い物にならないかしらね。とりあえず稟議の回覧はいったん止めてもらっていいかしら?』
「あいよ。……で、結局どうすんだ。交渉するのか?」
『この調子じゃ一度はしておかないと盤面を動かしようがないしね。あたしがセッティングするわ。いつでも出陣できるようスタンバイしておいてくれる?』
「上等。けど、こいつはもうビジネスの交渉だ。俺は俺の役目を果たすから、我妻さんは己を貫くように言っておいてくれ」
『言っても言わなくてもあの人はやるわよ。義理と人情と人徳であそこまでのし上がった人よ?』
「……なら心配はいらねぇか。それじゃあ俺も準備する。諸々が決まったら連絡してくれ」
『よろしくね~。あ、そうだ……、ちょっと頼みたいことがあるんだけどいいかしら?』
「あん?」
『これは恐らくあたしの勘なんだけどさ。――……』
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