二次元幼女が目の前にいたら……ねえ?
その後またまた二時間ほどジータをベッドで休ませ、「もうさすがに大丈夫!」とのことなのでアナと俺は家へと帰ることになった。
「ジータには悪いことしちゃったよなあ、ほんと」
「そうですね……私たちも頑張らないとですね」
アナもそれなりに責任は感じてるのか、拳を胸の前でぐっと握った。
「あ、アナちゃんだー! こんなちはー!」
道を歩いていて声をかけてきたのは見た感じ小学生くらいの設定っぽそうな女の子だった。正直な話、二次元キャラって小学生も高校生も童顔だから見た目では分からんよな。
「クララちゃん! 元気にしてた?」
「してたよ! みてみてー、学校でお人形作ったの!」
「わぁ! かわいく作れたね~」
アナの対応を見ている限り、やっぱりだいぶ幼い子なんだろうな。ランドセルっぽいカバン持ってるし。
茶色い髪の毛を眉毛の上あたりで揃えていて、後ろは腰のあたりまでストレートで伸ばしている。頭には麦わら帽子、そして水色のキャミソールワンピースといういかにも日本の夏っぽい格好で、西洋風の世界観からは少しだけ浮いて見えた。
「えへへ~……こっちのおにーさんは誰?」
「こちらは勇者のヒロキ様だよ」
「勇者さんなんだ! すごーい!」
正直俺は今のところセ◯クス以外本当に何もやってないので褒められるのに罪悪感しかないんだが、でもまあ幼女に褒められるのは悪い気はしない……。
……幼女……!!
「アナ、ちょっとちょっと(コソッ」
「え、あ、はい……クララちゃん、ちょっとまっててね」
アナを呼びつけて小声で話す。
「契りを結んだら仲間になるんだったよな」
「はい」
「その契りってのは無理矢理でもいいのか?」
「無理矢理……多分契りさえ結んでしまえば能力解放などはできるでしょうが、良好な関係がなければ戦闘の時に連携が取れませんから仲間になる意味がないかと。仲間というのは無理矢理従えさせられるものではないですから」
なるほど……まあ確かにそう言われればそうだ。そう、お察しの通り「エロゲなら幼女襲ったりできるんじゃね」と思ったわけである。いや、違う、ロリコンじゃないんだ。これは純粋なる興味。俺はロリコンではない。断じてロリコンではn
「……してアナよ。パーティメンバーは多い方がいいよな」
「そうとも限りませんよ」
「……そうなのか?」
「はい」
えー。このままアナのお許しを得てクララをお持ち帰りするつもりだったのに。
「パーティには5人、勇者様除き4人の仲間が参加可能です」
あーそうか。一応これゲームだから上限とかあんのか。まあそりゃそうか。
「そして仲間は勇者様から力を分けてもらって能力を発揮することができますが、勇者様は一人しかいませんから人数が多いほどそれぞれの能力上昇は控えめになります」
なるほど……? つまり人数が少ないとかなり強化された状態で戦え、人数が多いと手は多くなるが強化はあまりされないのか、いかにもゲームっぽいな。
「……にしてもだ。今日の戦闘で人手が少ないと複数の敵と戦う時に不利になることが分かっただろ」
「それは、確かに……」
「あとな、俺は一つ実験をしてみようと思う」
「実験、ですか」
「そう。つまりな……」
アナに耳打ちしてクララの方を振り返る。クララはしばらく放っておかれていたのにあくび一つせず後ろに手を組んでにこにこして待っていた。なんていい子なんだ……!!
そんなクララに負けないくらい、俺はにっこりして満を辞してこう言った。
「美味しいお菓子あるんだけど、うちに食べに来ない?」
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