童貞卒業五秒前
風呂から上がってタオルを腰に巻く。その腰も確かによく見たら筋肉が異様に盛り上がってんなあ。
いやはや、風呂場で自分の姿を見た時は腰を抜かした。全身のガタイが馬鹿みたいによくなっていて、顔は20代前半の外人っぽいゴツい顔になっていた。確かにまあ、女の子が好きそうな人間だわわ、俺。
そしてもう一つ自分自身でドン引いたのが股間にぶら下がってるこいつ。なんなんだこの質量……こんなのエロゲかエロ同人でしか見たことねえよ。まあこれエロゲなんだけど。どうりでさっき下着姿のアナを見た時ズボンが張り裂けそうになってたわけだよ。結構痛いんだぞあれ。
自分の身体に対するツッコミはこれくらいにして、俺も覚悟を決めて脱衣所のドアを開ける。アナは既にベッドの上にいて、俺が風呂から出るのを待っていた。
「お待ちしていました、ヒロキ様」
アナは相変わらずりんごみたいに頬を赤くして、落ち着かないようで目をあちこちに背けながら言った。やっぱりエロゲ世界の住人と言えど恥ずかしいものは恥ずかしいのか。
「アナ、その格好……」
「ど、どうでしょうか。初めての時に着ようと思っていたのですが……変、ですか?」
アナが着ているのは黒っぽい全てがレースでできていてスケスケになっている服だった。ベビードール、というんだったか、こういうの。
黒いレースがアナの白い肌をコーティングしていて、胸と乙女の花園だけはもう一段階黒い下着で包まれていた。
「いや、そんなことない……。むしろ、かわいい」
思わず本心が口から漏れてしまった。肩から鎖骨にかけてのライン、谷間、そしてすべすべしてそうなおなか、むちむちの太もも……そしてその一部が黒いレースで色っぽく艶やかになっている。エロい気分にならないはずがない。
「ありがとうございます。そう言っていただけると、嬉しい、です」
そして赤らんだかわいい顔とくるからもう興奮しないわけがない。もう俺の欲望はタオルを押し上げつつあった。
ドクドクと心臓を鳴らしながらゆっくりとアナの隣に座る。近い!! えっちぃ下着の女の子が近い!!
「ヒロキ様のペースで、お願いします」
アナはそう言って俺の顔をじっと見つめてくる。とろんとしたその表情。アナはもう#やる気__・__#になっているのかもしれない。
「じゃあ、いくよ……」
俺も意を決してアナと目を合わせる。すると、アナの方はキラキラ光る目を閉じて小さくピンク色をした光沢のある唇をこちらに軽く突き出した。見ればアナの左手は心なしか震えている。どうやら俺に遠慮して少し無理をしているらしかった。
……女の子にこんな頑張らせておいて俺がビビってたら、流石に男が廃るわな。
怖がらせないように大きい俺の右手でアナの左手を優しく包み、ゆっくりとアナの唇に唇を重ねた。
そのあまりの柔らかさについ鼻息が荒くなりそうだったが、それをどうにかこうにか押さえ込み、じっとその柔らかさを堪能した。
……と、アナは少しだけ舌を出して俺の唇を舐めた。そっちがその気なら、と俺も舌を出して応戦する。舌と舌を絡めあい、互いの唾液を交わらせる。敏感な舌の神経が相手の舌の柔らかさを感知して、脳からこれでもかとドーパミンが放出された。
……やべえ、我慢できねえ。
「おりゃあああ!!」
「ひゃうんっ! ヒロキ様ぁ!?」
俺はアナをベッドに勢いのままに押し倒した。どったんばったん大騒ぎしながらも、夜のとばりは静かにおりていく……。
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