3#‥再会
ここはマインの森。朝になりリッツは、食事をすませると荷物をまとめ、辺境の地へと向かい歩き出した。
(もう少し歩けば辺境の地。あの人と会った場所は、そこから東の方。でも、どうやって探そう?)
そうこう考えながら歩いていると、リッツは魔獣の気配を感じ立ち止まった。
「これって……。でも、魔獣避けの指輪をはめてるから、大丈夫なはずだけど」
リッツはビクビクしながら周りを見まわした。
(これがあまり効いてないって事は、強い魔獣って事なのか?)
そう思いリッツは怖くなり、身体を震わせていた。
(やっぱり、辺境の地に近づくにつれ、魔獣が強くなってる)
するとそれが殺気へと変わり、魔獣が猛スピードで木々の合間をぬぐい、リッツ目掛け襲いかかって来た。
リッツはそれに気づき、あまりの怖さに、
「イヤだ〜!?まだ死にたくな〜い!!」
そう泣き叫びながら、両手を目の前にかざし、
《フレイムウォール!!》
そう唱えると炎の壁がリッツを覆い、魔獣の攻撃を防いだ。
だがリッツはその炎の壁の中で、怖くて涙を流し震えていた。
すると魔獣は更にリッツを襲おうとしていた。
リッツはそれを見て、もうダメだと思った。
(ああ。もうこれで……このまま死に、僕はあの人に会う事が出来なくなる。最後に……もう一度でいいから会いたかった)
そう思っていると、魔獣が炎の壁目掛け体当たりして来た。だがその瞬間どこからともなく、
《龍黒剣 黒龍渦斬!!》
そう聞こえたかと思うと黒い斬魔が放たれた。
するとその黒い光の斬魔は黒龍に姿を変え、激しい黒き光を発し渦を作り出しながら、魔獣にあたり一瞬のうちに倒した。
リッツはもうダメだと思ったが助かった。
そしていったい誰が助けてくれたのかと思い、その黒い斬魔が放たれた方へと視線を向けた。
すると毛先が白いグラデーションカラーの青い髪の男が近づいて来た。
リッツはその男を見るなり驚き、
「まさか!?……」
と言い泣きそうになった。
「お前!この前の。まだこんな所にいたのか?」
そう言うとリッツを見下ろした。
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