最終話 大団円

 コル家襲撃事件を終えて二か月後、ティアが懐妊した。悪阻が来てひとしきり吐いた後渾身のガッツポーズを決めた。

「うっしゃあああぁぁぁぁ‼」

「気持ちは分かるけど喜びすぎだよ、ティア」

「あれだけやって何故授からなかったから、もしやできにくい体質なのかと!」

「その分数でカバーしたんじゃないの?」

「それですフェイさん! それが見事にヒットしました!」

「おめでとうございます、ティアさん」

「ありがとうございます、フェイさん!」

「おめでとうございます」

「ありがとうございます、ローガンさん」

 ロイとメルティアは少し悔しそうに祝いの言葉を送ったが、ティアはドヤ顔でお礼の言葉を返した。

 これは来年も子育てが忙しくなりそうだ……。特にティアは身体が成長しきってない。母体に負担がでかい特に気を付けないといかない。これはベビーシッターを募集しないとな俺達の負担がでかすぎる。今も護衛の二人のも手伝って貰っているが子供の面倒など見た事無いので、全部近所の人からの助言でどうにかしている状態なのだ。

 その二か月後今度はメルティアの懐妊が発覚。悪阻後のドヤ顔が凄かった。ひとしきりのお祝いと感謝の言葉の応酬の後にメルティアはカジノ王にその旨の手紙を書いた。向こうに着いたと思ったら、大量のベビー服と知育玩具が送られてきた。

 あっちも爺バカだなと思いながら、手紙を読むと、メルティアは一人娘だったので運強い子を沢山産んでませてやってくれと書いてあった。うん、ぶれないなカジノ王。俺の子供だから運の悪い子は居ないと思うぞ? 無くても悪運は持ってる思う。

 その半年後には今度はアリアが妊娠。診察の結果双子だと分かる。カリアは無事に三つ子を出産した。今はミリアがこき使われている。余談だが、ミリアが妊娠したのはその三年後である。

 ロイはメルティアの四か月後に妊娠が分かり、ホッとした感じだった。またひとしきりの祝いと感謝の言葉の応酬が終わり。ロイは遠く故郷までの長期便の手紙を書くとフェイに拳法の師匠を探して欲しいと頼んだ。妊娠の報告をするためだ。もう亡くなっているかもかもしれなにので、墓の場所も同時に調べて欲しいと頼んだ。

 ちなみにマリアンヌとミュウトは物凄い美形に育って、拳法と剣術を学んだ後王立魔法院に進学して人気を集めているそうだ。本人達曰く正直ファンクラブが出来たがどうでもいいとのこと、家が金持ちなので貧乏でも気持ちの優しい人を選びたいそうだ。王立魔法院でいい人が見つかればそのまま結婚と言う事もあるだろう。冒険者ギルドでダンジョン攻略したいとも言っているそうだ。

 のちにウルルスはコル姓を改めブッラドにした。コル家とはつかず離れずの関係になる。ウルルスの子供は二十四人になり、孫達に看取られながら世を去った。生涯現役の暗殺者であった。

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る