1月18日 06:00

「おはよ!」

「おはよう」

「今日は振袖火事の日だよ!」

「振袖火事って、明暦の大火のことだったよな?」

「よく知ってるね」

「授業でやっただろ」

「え、そうだっけ……? ま、まあ、それは置いておいて、振袖火事があった日みたいだよ!」

「……まあ、いいけど。冬だから乾燥して火事になったのか」

「まあ、旧暦でだから、実際は3月みたいだよ?」

「なら、そっちの日付を振袖火事の日にすればよかったのに」

「いつ決めたのかわからないけど、そういうのは区別しないんじゃない?」

「振袖火事があったのはあくまで1月18日ってことか」

「そういうこと!」

「たしか、振袖火事って燃えた振袖が寺に燃え移ったんだっけ?」

「そうそう、でも、その振袖って呪われてたらしいよ~」

「そんなオカルト的な話だったのか?」

「そもそも、振袖から火が移ったっていうのもオカルトだからね~」

「それなのに、振袖火事って名前になったんだな」

「元々の話は、一人の女の人が病気で死んじゃって、その人の持ってた振袖が売られて、それを買った女の人が続けて病気で死んじゃったからお祓いみたいな感じで、お寺で火の中に入れたら風が吹いて、そのお寺に燃え移ったって話だったんだけど、そのお寺はこの話を否定してるんだよ~」

「あ、その寺は実在してるんだ」

「本妙寺っていうお寺なんだって。ちなみに、そのお寺は、江戸幕府にそういうことにするように頼まれたって言ってるらしいよ」

「昔過ぎて正確にはわからないんだろうな」

「ってことで、今日はお寺に行こう!」

「時々お寺に行こうとするのはどうなんだ」

「だって、目的地あった方がランニングもはかどるでしょ~!」

「今日、少し雪降ってるけど、走るのか」

「このくらいなら? 本格的に降ってきたら途中で帰ってきてごろごろしよ~!」

「最近の冬って雪の降る日は少ない気がするけど、降る日にどばって降る感じがするよな」

「ね、最近私、ネットで服買ったのに雪の関係で配達がすっごい遅れたし」

「そこに住んでない俺達がそれなんだから、その地域に住んでる人たちはもっと大変だろ」

「友達のお姉ちゃんがそっちで一人暮らししてるらしいんだけど、コンビニとかスーパーから食べ物が全然なくなったらしいよ」

「想定できなかったんだろうな」

「そう、だから少し遠出して買い物しなきゃいけなくて大変なんだって」

「本当に現代の話か?って感じがするな」

「もし本格的に降っちゃったら私達も雪かきしないとね~」

「あれ、疲れるんだよな……」

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