1月5日 07:00

『今日は何の日でしょ~?』

「おはよう」

『おはよ!』

「今日は、イチゴの日?」

『おっ!』

「まぁ、さすがになー」

『ん~……半分正解っ!』

「半分?」


 半分正解なことってあるのか?


『結人の言ってるイチゴって果物のでしょ?』

「そうだけど」

『果物の方は「いいいちご」の語呂合わせでで1月15日だよ!』

「11月15日じゃないんだな」

『なんでだろうねー?』

「こっちこそ知りたい……それより、半分正解って言うのは?」

『今日は「いちごの日」ではあるんだよ!』

「どういうこと?」

『15歳の人にエールを送る日なんだって!』

「15歳の人?」

『15歳だよ? ほら~、去年思い出して~!!』

「まぁ、去年と言えば受験?」

『ピンポンピンポン! せいかい~!!』

「受験を応援する日ってことか?」

『そうそう! 私も去年辛かった~』

「まぁ、緊張はしたな」

『私たちがあんまり話さなくなったのそのくらい?』

「まぁ、そうか」

『でも、受験前に「前日の夜は絶対に緊張して寝れないから、前々日にしっかり寝た方がいい」って言ってくれたのはありがたかった!』

「日々姫ってテストとか妙に緊張するよな。陸上の大会だと緊張しないのに」

『だって、全力を出し切るだけだもん』

「そこは同じなんだけどな……」

『あ、そろそろつくよ~』

「了解」

「ついた!」

「間が短すぎる……」


 電話を切ってから一秒もかかってない。


「ちなみにだけど~」

「うん?」

「今日はポチ駅長が任命された日だよ!」

「あー! 懐かしいな。和歌山とかだっけ?」

「そうそう! 懐かしいよね~」

「結構話題になったよな」

「ねー! 犬でポチって言うのも王道でいいよね!」

「だな。印象に残ってる」

「では、ここで質問です!」

「はい」

「犬派? 猫派?」

「結構難しい質問だなー」


 犬は投げたボールを取ってきて一緒に遊ぶイメージがある。

 猫は自由に遊んでいるイメージ。

 どっちもかわいい。


「んー、猫かな」

「ほうほう」

「ほら、犬って噛みそうだし」

「猫はひっかくよ?」

「確かに」

「ま、野良猫だから、ちょっと離れたところから見ることにしよー?」

「見ることにしようって?」

「ほら、太陽公園あるでしょ?」

「あー、あの顔の着いた太陽が回転する遊具のある公園か。小さいころ行ったよな」

「そうそう! あそこね、野良猫が住み着いててよくいるんだよ!」

「そうだったのか」

「今日はそっちの道に行こー!」

「たまには道を変えるのも気分転換になるよな」

「ちなみに、この時間だと、堺さんがチョコちゃんを散歩してるから会えるよ!」

「チョコちゃん?」

「ドーベルマンのチョコちゃん! 人懐っこくてね、この時間だと会えるはず!」

「犬派か猫派かの質問の意味……」

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