1月4日 07:00
電話が(以下略
『今日は何の日でしょ~?』
「……ひとよのひ」
『あ~、てきとーに答えた!』
「……」
『正解は~……夢野久作さんの誕生日だよ!』
「……だれ?」
どこかで聞いたことがある気もするけど……
眠い。
『ドグラ・マグラの作者だよ?』
「どぐらまぐら……」
『え、わかるよね?』
「三大奇書の?」
『そうそう!』
「あれって日本の人が書いたんだ……」
『そもそも私たちの言ってる三大奇書って基本的に日本の推理小説から選んだものだからね……』
「そうだったんだ」
世界で選ばれてるものだと思ってた。
『ちなみに世界の三大奇書は調べてません!』
「あ、やっぱり今までのは調べてたんだ」
『当たり前でしょ~? そんなに知らないもん!』
「じゃあ、今回のも?」
『いや、今回のは知ってたよ?』
「え、逆になんで?」
『だって、ドグラ・マグラと言えば女子高生なら全員知ってるよ? ガールズトークの定番じゃん』
「そんなの想像したくないんだけど」
『私はこういう解釈したんだけど~、え~、私も同じ~、的なね』
それはそれで面白そうではある。
が、それはガールズトークであってほしくない。
「内容知らないんだけど、どういう本なんだ?」
『さあ? 文字多くて読むのやめちゃったから……』
「今までの話は?」
『冗談に決まってるでしょ~。ガールズトークって言うのは悪口大会だよ?』
「それもやめろ。イメージが崩れる」
『ちなみに、読みたいなら
「本当に持ってる人いるのか……」
『じゃ~そろそろ行くね~』
「わか……」
「きたよ!」
「いや速すぎるだろ!」
扉が開き、さっきまでスマホから聞こえてきていた声がすぐ近くから聞こえた。
「ふいうち、だよ!」
「なぜ不意打ちする必要が……?」
さっきまで俺が眠っていたベッドに腰かける日々姫。
「そんなこと言って~、もう着替えおわってるじゃ~ん」
「どうせ着替えるからな」
昨日みたいに慌てることのないように、声を聞きながらも着替えを始めて、今ではもう上に一枚羽織れば外に出れる格好になっている。
「よしよし、えらいえらい」
「なんで頭撫でた?」
「成長した幼馴染を褒めるのは幼馴染の義務だよ?」
「なんだそれ」
「結人、背伸びきつくなってきたからかがんで?」
「嫌だよ」
手を払って、扉に手をかける。
「ほら、行くならさっさと行こうぜ。遅くなる」
「……」
「? 日々姫?」
「っ~~!!! えらいっ!!」
「おい飛びついてくるな」
「えらい! えらいよぉ~!!」
「なんなんだ……」
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