第7回 「そこに隠し通路あるぞ」新聞を読みながら教えてくれた親父は、昔、光の戦士だった。

 FINAL FANTASY III(PSP)2012年発売。


 かなり秀逸なキャッチコピーです。少し長いですが情景がありありと浮かびますね。

 いつもの夕食後、少年がPSPのFF3で遊んでいます。お母さんはキッチンで後片付け。少年の横にはお茶を飲みながら夕刊に目を通すお父さん。

 でもお父さんは新聞よりリメイクされたFF3が気になって仕方がありません。かつて自分が夢中になったゲームでしたから。

 ドット絵からポリゴンに変わったとはいえマップに変わりはないんだな。お父さんは遥か昔のゲーム内容を覚えていた事に驚きました。ラストダンジョン攻略中に「遊びすぎ!」と母親に怒られてリセットしたのも良い思い出です。

 そんなお父さんの想いを知らずに少年は隠し通路を見逃します。

 ああ! 駄目だ。そこに隠された宝箱に2000ギル入ってる! この先で売っている武器を買うためには取っておいたほうが良い。

「そこに隠し通路あるぞ」思わず声に出ていました。

 恥ずかしさをごまかすように新聞を大袈裟に捲るお父さん。

 少年の尊敬の眼差しを受けるお父さんは、かつてドーガ、ウネと共にダンテと戦った光の戦士でした。


 誰が小話と始めろと? すいません、そのぐらい好きなキャッチコピーなんで許してください。

 このキャッチコピーは公式募集で選ばれた最優秀作です。みんな年代を越えて遊べるゲームを求めていたということですね。

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