第5話 エレベーター
私は高級ホテルにある新型のエレベーター。大手電機メーカーの看板を背負っているからプライドを持って仕事している。
日本のエレベーターは技術も安全度も世界でトップクラス。鼻が高い分プレッシャーも大きい。
私はどんなマッチョよりも力がある。ミスは絶対に許されないの。だから私は利用時間が少ないときに自分の体を動かして自分で点検している。そのデータはメーカーに管理されている。時々メーカーが直接来て、点検をされる。人間でいう健康診断。車でいう車検みたいなもの。
高級な所についているエレベーターは、オーダー型といって、かごの仕様からボタン、インジケーターの色まで事細かくオーダーメイドで作られる。だから私は通常のエレベーターより個性が強いと思う。
私の声であるアナウンスは、有名な声優さんの声が吹き込まれている。他にも様々な工夫がされているの。ドアのところに赤色のランプを点滅をさせたり。ドアと床の隙間を開いているときだけ埋めたり。スマホと連携して非接触にできたり。
速く、快適に、安全に運ぶ。単純な作業を繰り返すだけだけど、一つ間違えれば大事故に繋がり兼ねない。特に私は当たり前にありすぎるから影が薄いけど、毎日せっせと働いています。
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