姚泓25 劉裕侵攻17  

姚泓ようおう劉裕りゅうゆうが迫ってくるのに際し、

北魏ほくぎに援軍を依頼していた。

それを受けて拓跋嗣たくばつし

長孫嵩ちょうそんすう乙旃眷おつせんけん河內かだいに進軍させ、

また王洛生おうらくせい河東かとうに駐屯させた。

劉裕軍の後方、北方を狙う形である。


劉裕は陝城きょうじょうに出ると、

沈林子しんりんしに精鋭一万余りを与え、

山開道さんかいどうを突破させ、

沈田子しんでんしらと青泥せいでいで合流させ、

堯柳ぎょうりゅうに攻撃を仕掛けさせた。


姚泓は姚裕ようゆうに八千を与えて迎撃させ、

自らも大軍を率い、出撃。

しかし姚裕はあっさり沈田子軍に敗北。

姚泓は灞上はじょうにまで撤退した。


関中の人々は、多くが劉裕に寝返る。

そうこうしているうちに劉裕は潼關どうかんに。

朱超石しゅちょうせき徐猗之じょいしを河北に向かわせ、

薛帛せつはくと合流の上、蒲坂ほはんを攻撃させた。




泓以晉師之逼,遣使乞師于魏。魏遣司徒、南平公拔拔嵩,拔氏後改為長孫氏」,通鑑一一九云長孫嵩「實姓拔拔」。歷來考證並以官氏志此條「拓拔」為「拔拔」之譌。今從宋本。正直將軍、安平公乙旃眷,進據河內,游擊將軍王洛生屯于河東,為泓聲援。劉裕次于陝城,遣沈林子率精兵萬餘,越山開道,會沈田子等于青泥,將攻堯柳。泓使姚裕率步騎八千距之,泓躬將大眾繼發。裕為田子所敗,泓退次于灞上,關中郡縣多潛通于王師。劉裕至潼關,遣將軍朱超石、徐猗之會薛帛于河北,以攻蒲坂。


泓は晉師の逼れるを以て、使を遣りて師を魏に乞う。魏は司徒・南平公の長孫嵩、正直將軍・安平公の乙旃眷を遣り、進みて河內に據せしめ、游擊將軍の王洛生を河東に屯ぜしめ、泓が聲援と為す。劉裕は陝城に次し、沈林子を遣りて精兵萬餘を率い山開道を越し、沈田子らと青泥にて會せしめ、將に堯柳を攻ましめんとす。泓は姚裕をして步騎八千を率い之を距がしめ、泓も躬ずから大眾を將い繼發す。裕の田子に敗らる所為るに、泓は退きて灞上に次す。關中の郡縣の多きは潛かに王師に通ず。劉裕は潼關に至り、將軍の朱超石、徐猗之を遣わせ薛帛に河北にて會し、以て蒲坂を攻ましむ。


(晋書119-25_衰亡)




山開道

古い地図とか見ると函谷関と潼關ってほぼ位置が一緒なんですよね(正確に言うと函谷関のほうがやや東、ついでに言うと漢代以後の「新・函谷関」は更に東に寄る)。そして沈林子は山開道をたどり、「武関ぶかんの内側」、青泥に出た。


このルート、ものすっげえ既視感があるんですよ。何かっていうと、漫画「キングダム」における函谷関攻略戦において、李牧りぼくが合従軍に函谷関を攻めさせてる間に予備軍を送り込んだルートとほぼ一緒。まぁ、あの漫画よりは「気付かれないように」をする必要がないため近回りしていますが。いやぁ、沈林子のルート、マジでキングダムを知ってると滾りますよ。もっともこっちは「李牧が嬴政えいせいを粉砕する」わけですけどね!

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