姚泓3  武断      

姚興ようこうが病没しても、いったん内密とし、

喪を発しなかった。


すると姚愔よういん尹元いんげんらが謀反を計画。

姚泓ようおうは彼らとその郎党を速やかに処刑。


また姚恢ようかい呂超りょちょうを殺すよう命じる。

姚恢はやや時を置いてから

この命令を実行した。


そこに姚泓、謀反の気配をかぎ取る。

姚恢はむしろこの疑いを受けたことから

謀反心を抱くようになってしまった。

ひそかに兵力を集め始める。


姚愔一派の排除に成功して、

姚泓はようやく喪を発し、即位。

死刑より低い罪の者については

大赦をなし、また永和えいわに改元。

諮議堂に庵を結び、葬儀を終えると、

自ら政務にあたり始めた。


内外の官僚たちの爵位をみな一等昇格、

また文官武官には直言を求める。

政が当を得てないようであれば進言し、

またその発言が国のためになると

わかっておれば、進言をはばからず

申し出るように、と伝えたのだ。




興既死,秘不發喪。南陽公姚愔及大將軍尹元等謀為亂,泓皆誅之。命其齊公姚恢殺安定太守呂超,恢久乃誅之。泓疑恢有陰謀,恢自是懷貳,陰聚兵甲焉。泓發喪,以義熙十二年僭即帝位,大赦殊死已下,改元永和,廬於諮議堂。既葬,乃親庶政,內外百僚增位一等,令文武各盡直言,政有不便於時,事有光益宗廟者,極言勿有所諱。


興の既に死せるに、秘して喪を發さず。南陽公の姚愔、及び大將軍の尹元らは亂を為さんと謀らば、泓は皆な之を誅す。其の齊公の姚恢に命じ安定太守の呂超を殺さしめ、恢は久しうして乃ち之を誅す。泓は恢に陰謀有せるを疑い、恢も是れより貳を懷き、陰かに兵甲を聚めたり。泓は喪を發し、義熙十二年を以て帝位に僭即し、殊死已下を大赦し、永和と改元し、諮議堂に廬す。既に葬ぜるに、乃ち政に親庶し、內外の百僚に一等を增位し、文武に令し各おの直言を盡くし、政の時に便ならざる有り、事の宗廟に光益有らば、極言し諱せる所有す勿らしむ。


(晋書119-3_政事)




どうすんだこのどこまでも続く名君ムーヴ……結末がはっきりしてるだけにつらい……

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