居場所がないわけではないけれど、なんとなくタバコを吸う場所を探していた少年が見つけた寂れたタバコ屋。
そこで出会った「ミナトさん」という年上の女性との付かず離れずの関係が穏やかで美しい筆致で綴られます。
大きな事件が起きるわけでもなく、めくるめくような恋の物語でもなく、それでも言葉少なに交わされる二人の会話や他の客との様子で少しずつミナトさんの事情が明らかになり、それとともに自分の想いを自覚していく少年。
このまま淡く終わってしまうのかな、と思ったのですが、ミナトさんからひとつの答えが提示され、ものすごーくきゅんとしました!
ぶっきらぼうだけど、優しさが伝わってくるミナトさんが本当に魅力的でした。