側に置いていた細工入れが
側に置いていた細工入れが小さな音を立て、その時やっと側にリンネがいることに気がついた。
気がついた途端に動揺し、久しぶりに針で指を刺した。「いたっ」と思わず声を上げると、リンネは細工入れから手を引いて踵を返し、棚から薬を持って来て、指に塗りつけようとする。
自分で出来ると言いかけたが、薬を作る過程で微かに変色した指先が触れて、言葉は尻すぼみになって消えた。恥ずかしさよりも、懐かしさが買った。
「お前の、手当てをするのは、久しぶり」
同じことをリンネも思ったらしい。
何も出来ず、ただリンネの治療を受けるしかなかった日々は、実際にはそう昔のことではない。しかし、体が動くようになり、市に行くようになって、リンネの手伝いをするようになって、と日常はまたたく間に変わり続けている。すぐには受け入れられないだろうと感じた魔物と人間の今の在り方にも、もうそれ程抵抗は感じなくなっている。
薬を塗り終えたリンネは、すぐに立ち去ることなく、魔王の前に膝をついたままでどこか迷うように目を揺らす。それを見て、そもそもリンネの方から近づいて来たのだと思い出した。
「何か、用事が?」
洞窟ははっきりとした仕切りもなく、どこでも自由に使うことが出来る。しかし、それぞれの寝床の周囲だけは個人の空間としてお互いにあまり近づかず、寝床にいる時にも必要以上には話しかけないという不文律が出来ていた。それを侵して来たのはつまり、緊急か、あるいは重要な用事があるということになる。
そう言いつつ他愛もない用事であることもないでもないが、リンネの様子からすると、簡単な話ではなさそうである。
しかし、言いにくい話をする時に逃げる癖のある人間でもある。何か話に来たはいいものの、結局話すのを諦めて戻るということもあるかも知れない。
「……」
「……隣、座る?」
散らばっていた裁縫道具を寄せて場所を空けると、小さくうなずいて隣に移動した。これで何も言わず逃げる確率は減るだろう。
リンネは背を岩壁に預けて、伸ばした脚の上に細工入れを置いた。
先程も細工入れに手を伸ばしていた。
木で作った箱型の単純な細工入れには、これまで魔王が作った細工が、雑多に詰め込まれている。リンネに贈って以来何か考え事をする時に作るのが癖になったが、リンネには「これ以上は、持て余す」と断られた結果行き場がなくなり、箱の中身は増え続けていた。初めて作った時より複雑な形をした細工が増えているのは、その方が完成するのに時間がかかり、増えなくて済むからである。また、複雑だと無心になれて、考え事が煮詰まらなくなる。
今も、考え事をする傍らで手を動かしていたところだった。
座ったもののリンネは何も言わない。時間がかかりそうだと察知して、魔王は針の先を拭ってから細工の続きに取りかかる。
それはそれで、魔王にとっては良い時間だった。
何も話さなくとも、身近にリンネの存在を感じるだけで心のどこかが満たされる。
最初は単に無表情で不可解で、少し不気味な人間だった、と思いかけ、今でもそこはあまり変わりないかと思わず笑った。いまだにリンネが何故魔王を助けたのか、リンネ自身の過去も、その他にも多くのことが分かっていない。表情も、少し和らいだかも知れないけれど恐らく市にいる人々にしてみればほぼ同じ。
恐らくリンネが変わったと言うよりも、魔王が変わったという方が正しい。微細な表情の変化を読み取れるようになって、行動の意味が分からなくても警戒しなくなった。そうしてみると、リンネは一緒にいる分には心地の良い人物だと分かった、というだけの話。
「何を笑ってる」
不思議そうに問われて、どう答えようか迷った。話しづらい。
しかし、リンネはその答えにはあまり興味なかったようで、「まあいい」と呟いた。
細工を入れた箱の側面を爪でカタカタと叩きながら、リンネは言う。
「話をするけど、良い?」
「ん、あぁ、どうぞ。別にいつでもいいよ」
「……」
リンネが息をする音が聞こえた。
「これを、売るつもりはない?」
リンネは少しだけ箱を持ち上げる。
話の内容を予想していた訳でもなかったが、斜め上の方向からの話題で、さすがに戸惑った。
「売る……。その細工を?」
「うん」
「まあ、いいけど」
「……いいの?」
拒まれるとでも思っていたのか、意外そうに言う。
あらためて箱に入った細工を見るが、売ると聞いてもやはり抵抗はない。作る過程が好きなのであって、完成した物への執着はない。むしろ処分に困っていたからちょうど良かったという気持ちである。
「いいよ。そこに入ってる奴なら、お前がもらったっていいし、好きにすればいい」
ただ、僅かに例外はある。
「……前にお前にあげた奴は、さすがに、持っておいてほしいけど」
付け足すとリンネは手首に巻いた髪紐を上から握ってすぐさまうなずいた。それで安心してあらためて許可を告げると、リンネはどこかほっとした様な表情を浮かべて、箱の中を細工を手に取る。
「私以外に見ないのは、惜しいなと、思ってたから。良かった」
一瞬言葉を流しかけて、褒められていることに気がついて顔が熱くなった。魔王として崇められることや感謝されることには慣れているが、それと関係のないただの手慰みを褒められたのは初めてだった。しかも褒めたのは、他人からの感謝の品に対して嫌がらせかとすら言ったリンネである。
これまでに感じたことのない気恥ずかしさに動揺し、思いとは裏腹に少しひねた。
「……売るのはいいんだけど売れるか? と言うかどこで売るんだよ」
「それは、一応。伝手がある」
「伝手……。まあ勝手に、好きにしてくれていいけど。うん」
「さっきも聞いた。売上はお前に渡すから」
「売上もいいよ。世話になってる身だし」
いぶかしそうにリンネに顔を覗きこまれ、持っていた布で顔を隠す。恐らく赤い。
「……何か、機嫌が? やはり止めて、おこうか」
「い、や。それとは、関係ないから。気にするな。大丈夫です。大丈夫だって」
止めようか、大丈夫だから、という攻防が何度か続いたものの、結局売ることに決まった。結局どこで売るかなどの細かい部分は聞き損ねたが、聞いてしまえばその後どうなったか気にし続けてしまいそうにも思ったため、知らないままでいることにした。
「……それが用事?」
「うん」
思いのほか大したことではなくて良かったような気持ち半分、肩透かしのような気持ちが半分。重苦しい話をしたいわけではないが、リンネと話をすること自体は嫌いではないから、もう立ち去ってしまうのだと思うと物足りないような気もする。
しかし、用事を終えたはずのリンネは、立ち上がろうとはしなかった。
そっと横顔を盗み見るが、リンネが何を思っているか分からない。
「……」
「……」
他に何か、などと聞けば逃げてしまう気がして、口を噤み目をそらす。
話し出すのを待っていた時より余程、緊張した。物音を立てれば逃げる野生の獣。そう思っていたのも少し前、まだリンネの名前すら知らなかった、今や懐かしく感じる頃の話である。今はリンネなりに理由があって逃げていると知っているし、リンネも前にそう言われたせいか逃げないように留まろうとする素振りを見せるようになっている。そうした陰の葛藤を知っているから、魔王まで緊張してしまう。
あの頃は今とは別の意味で遠慮がなかった。嫌われても特に構わないと思っていたが故の遠慮のなさだった。今の魔王には出来ない。リンネが何か言うのを待ってしまう。いっそ適当に茶化せてしまえた方が、こういう時には良かったのかも知れないと今になって思う。魔王が黙って待つことで、かえってリンネが話し出すために必要とする気力が増えている気がする。
迷い、結局どうしたらいいか分からずまた細工を作り始めたが、少しして出来上がってしまった。
恐る恐る、出来た細工を細工入れの上にぽつんと置くと、リンネが口を開いた。
「……悪夢は、もう、見ないか」
首を傾げたが、すぐに思い出した。勇者に切り捨てられる悪夢。
「全く見ない訳ではないけど、大分減った」
「……なら良し」
出来たばかりの細工をつまんだリンネは、持ち上げて間近にまじまじと見詰めながら、ぼそぼそと言った。
「もし。悩みが、出来た時。私……で、良ければ、だけれど。聞くから。聞いて、出来ることは、するから」
終わり程、微かな声になった。
「あまり、一人で、考え込まないよう」
もしかしたら、考え事をする時に裁縫する癖があることに、リンネも気がついていたのかも知れない。
ユウェンと話してから、考え込む時間が増えている自覚はあった。全体として平和をつかみながらも、ともすれば見逃されてしまうような困難を抱える魔物たちのことも気になっている。しかし今は、特にあの言葉が、頭を巡る。
次は、貴方自身の幸せを、と。
「……リンネ」
魔王にとっての幸せは、魔物たちの幸福である。何故ならば魔王は、魔物たちの悲鳴や怨嗟から生まれ、魔物たちの幸福を実現させることを存在意義として定義された魔物だから。
しかし、ユウェンの言った「貴方自身の」という言葉は、それ以外の何かを指しているように思われた。それを願われたからには魔王として叶えない訳にはいかないが、しかし、ユウェンの言うそれが何なのか考えようとしても、靄がかったように思考が遠ざかる。
とうに知っている気はするのに。
それを得る方法も分かっている気がするのに。
「じゃあ、もう少しの間でいいから、隣にいてくれ」
リンネはほんの少し、距離を縮めた。
肌の温かみを微かに感じる。
恐らく、ユウェンのいった幸せはここにあるのだろうと思いながらも、曖昧な夢のようで、上手くつかめないでいた。
細工を売ることになったことも忘れた頃。
魔王は慢性的な腰痛をを抱える常連の人間の愚痴を聞いていた。病気というより年齢的な不調であるため根本的な治療薬はなく、症状を抑えるための薬しか渡すことは出来ないのだが、とにかく他人に苦しみを理解してほしいのかいつも話の長い客である。しかも、恐らくはあえて、話を聞いてもらうために、客の少ない昼時やリンネがいない時を狙って訪れる。
さすがに長話に辟易し始めた時、買い出しに出かけたリンネが戻って来た。
ちょうどいい区切りと、リンネを口実にして話を切り上げた。
「師匠。目当ては買えたか?」
ちらと去っていく客に視線をやったリンネは、魔王の頭を撫でつつ答えた。
「うん。あと、珍しい酒と、お前の好きな魚もあった。今日は早く切り上げて、一夜酒場で捌いてもらおう」
あの客の厄介さはリンネも知っているので、恐らく労われているのだろうが。
「……リンネ。さすがに、これは」
「嫌?」
「嫌と言うか……」
悪気はないのだろうし、特に嫌でもないので強くは言いにくい。しかし、困っていることは分かったらしく、心なしか肩を落としたリンネは手を離し呟いた。
「……撫でられると、嬉しかったから、つい」
自分の経験らしいが、魔王はリンネの頭を撫でたことはない。とすれば別の誰か。
聞く勇気を起こす前に話題が変わった。
「あと、お前の細工。預けた奴と行き合って。評判、良いと」
「細工? ……あぁ、売った奴か」
リンネの頭を撫でた人物のことはまだ微妙に気になっていたがもう聞けるような雰囲気ではなく、聞く勇気もない。追及するのは諦めた。
辻に広げたムシロに腰を下ろして買って来た酒をいきなり飲み始めつつ、リンネは細工を預けた人物が営むという店の場所を口にする。市の中央、定期的に出展する店が変わる区画である。
「店主がお前に、会いたがっていた。行ってみるといい」
今日は布の市が開かれているが、何日かすると別の業種が並ぶようになる。また数日経てば再び布の市は開かれるが、その時にも目当ての店が出展するとは限らない。
「じゃあ、行って来るけど。……酒は程々にしておけよ」
「不老不死だから。問題ない」
「いや……客が引いてるから」
「……少し帰るくらいでちょうどいい」
客の前で堂々と言い放ったリンネは診療を再開させる。ちらほらと周囲でリンネが帰るのを待っていた客が列に並び始めた。
市にも医者と薬師はいる。しかし、リンネの診療と薬は彼ら以上の信頼を得ているらしかった。単純に知識の蓄積の多さや薬の効果の高さもあるが、それだけではない。聞けばリンネの感覚には人間と蛇が混じっていて、人間よりも異常を見つけることに長けつつも、魔物より人間の体の辛さに詳しくいられるらしい。また、魔物にとっても、リンネは貴重な存在だ。長命でまだ戦争以前の記憶もあるため出来れば人間の診療は受けたくないが、この市にいる魔物の医者とは種族が合わずに的外れな診断を受けがちな魔物や、街中の歩行に一部制限のある巨体を持つ魔物など、様々な理由で魔物たちはリンネの診療を受けに来る。
単純に、リンネの人柄もあるのだろう。基本的にぶっきらぼうだが、優しくない訳ではない。それに傷病に対しては真摯で、一度関わったものは何としてでも治そうとする。これは恐らく患者のためではなくリンネ自身の意地なのだろうが、だから安心して任せられる。
最初は単なる生活上の便宜のための師匠と弟子という関係性だったが、最近ではからかい抜きにして師匠と呼ぶことに違和感もなくなっている。
これは魔王としては駄目な傾向なのかも知れないと、あまり危機感もなかったが考えつつ、中央通りを歩く。
屋台の並ぶ中央通りはいつも人でごった返している。ただ魔王のことを知る人も増えて来て騒ぎにはならないと判断し、外套を着なくなった結果、魔物だけは道を開けるため、魔王にとってはそれ程窮屈ではない。
時々リンネの客やユウェンのような市で新たに出来た知り合いに声をかけられて寄り道しながらも、魔王の細工を預かって売っているという店に辿り着いた。他と同じ露店だが、通常の倍の空間を使うことを許された大店である。少し怯みながらも、店員らしき人間に声をかけた。
「リンネという赤髪の薬師に聞いて、店主に挨拶に伺ったのだが。……花の細工を作った者だ」
この場で魔王と名乗るのも妙だと思いおかしな言い回しになったが、幸い店員は理解して店主を呼んだ。店の奥から出て来た店主もまた人間である。
「アンタがあの細工を作った──」
細身の店主は言葉につかえた。
「作った……えぇと……リンネさんのお弟子さん、としか聞いてなかったもので。作った方ですか」
「あぁ……うん。弟子と呼んでくれていい」
すぐ気を取り直した店主は続ける。
「いやぁ、あの細工評判良くって! 花の細工自体はそう珍しいものでもないけど、布の組み合わせとか縫製の細さとか、よく出来てたから。全部一点物ってのも効いたのかな。今もうほとんど売れちゃって残ってないんですけど、もし良かったら売り場見ます?」
そう言うと魔王を棚の一角へ案内した。
そこには確かに、残り少なかったが、見覚えのある細工が他の品と同じように置かれていた。
実際見てみるとそれは嬉しいと言うより、奇妙な心地だった。確かに自分が作った物だが、全く知らない物のように感じた。
魔王の内心を知らず、店主は言う。
「もう一人、熱心な贔屓が出来てましてさぁ」
「贔屓?」
「うちに商品卸してる染色屋の見習いですがね。少ない小遣いやりくりして三つくらい買っていきましたよ。たぶん今日もそろそろ商品卸しに来ると思うんですけど。待ちますか?」
うなずいてはみたものの、期待感はあまりなかった。まだ自分の作った物が売れたことも他人事のようなのに、贔屓と言われても戸惑いが優る。
待っている間、店の他の棚も覗くと、贔屓や自分の細工が並ぶ光景よりもそちらの方が興味深かった。この店で主に取り扱っている品は布ではなく、布につけるボタンや飾りとなる部品らしかった。目が眩む程の種類が並んでいた。同じ技術を使っていても、発思が異なれば全く違う物が出来るのだと実感する。そしてその発想は真似しようと思って真似出来るものではない。見ていてやっと、贔屓というものに少し共感する。発想の元を知りたいと思える物があると、ここにない他の作品も見てみたくなる。好ましい雰囲気を持つ物が同じ箇所にまとまっていると、その製造者が気になって来る。
感心しつつ眺めていると、店主に呼びかけられた。
「えぇと、お弟子さん! 来ましたよ、贔屓!」
顔を上げると同時に、ズカズカとやって来て隣に立った人間がいた。
「す……好きです!」
勢いに、驚く。魔王と会って感極まる者は少なくなかったが、一言目が告白というのは初めてだった。しかも人間である。
人間は頬を上気させ、見るからに慌てている。
「あ、えぇと、俺……僕、染色屋の見習いでタロスっていうんですけど、あ、いや俺の名前は良くて。えっと、会えて光栄です!」
「……うん」
どう返事をしたものか分からずうなずくと、それだけで人間の目は輝いた。
「俺、貴方の細工がほんっと好きで!」
ユウェンを思い起こさせる、まっすぐな目をしている。そこには今まで魔王が向けられたことのない感情がこもっていた。その感情の名前は分からずとも魔王にはきちんと届き、どこか他人事のように感じていた気持ちに動きを与える。体に熱が巡って、思考がぼやける。
「ありがとう……」
それからタロスという名の人間は、一方的にまくし立てる。魔王の作った細工をどのように見つけ、どの点に感銘を受け、どのように使っているか。もしもっと手持ちがあったなら全て買いたいくらいだと悔しさを滲ませながら、しかし他の人々にも知って欲しいから独り占めも出来ないのだと笑った。人間は幾度となく魔王本人に対して、あるいはその細工に対して好きだと言う。ついさっき棚を見ている時に魔王が感じていたよりももっと華やかで衒いのない、魔王が身に受けてなお持ち切れずに溢れてしまうような好意があった。
思い出したように言う。
「銘は入れないですか?」
「……めい?」
「あ、えぇと、名前です」
心臓がどくりと打った。
ずっと知っていたはずなのに、まるで初めて聞いたように、その言葉は響いた。
「貴方が作ったっていう印みたいな。銘があるとその人が作ったって分かりやすいし、この人は良いよーって他の人にも勧めやすいので」
「名前、か」
側で聞いていた店主もうなずく。
「あぁ、そうですね。もし今度作る時はどこかに入れてみたらどうですか? コイツみたいな固定客もつく可能性が高まりますから」
呆然として、魔王は答えた。
「そう、だな。……助言、感謝する」
人間は、ただ嬉しそうに笑った。
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