書く、描くと来たら、最後は聴く



 じつは本日、たいへん嬉しいレビューをあるかたからいただきました。もしかしたら、その作品をなんかの自主企画に参加させてたのかもしれないですが。


 そのなかにですね。磨きあげられたムダのない文章が聴くと耳に心地よい、と言ったことが書かれてました。web小説は派だとの注意書きが。


 なるほどねぇ。そう言えば、それについても前に近況ノートで、何人か見かけたことあるなぁ。音声アプリで読みあげてもらってるとかいう人いました。


 自分で書いたものを読ませてると、意外と誤字に気づきやすいとか。これは自作の推敲のために使ってるという例。


 自主企画で音声アプリに適した作品募集というのも見たことがある。そのときは自作が音声アプリに適してるのかどうかわからなかったので、たしか参加見あわせたと思いますが。


 僕は遅読を謳ってますが、じつはこれは厳密な言いかたではないんですね。文章のうまいかたの作品を一文ずつ、ちゃんと味わって読みたいときは、けっこう遅いんです。三千字くらいのエピソードを一話読むのに、5〜10分はかかるんじゃないかと。頭のなかで場面を絵に変換しながら読んでるし。


 でも、ちょっと試し読みしてみようとか、ストーリーだけ確認しようと思うときは流し読みしますので、そうなると、かなり速いです。


 その場合は、どのていど、僕の目をひきつける文章があるかで、同じ三千字でも何分で読めるかは変わってきますが、平均的に読みやすく、まあふつうに面白ければ、二、三分ってとこですかね。あんまり面白くなければ一分。あるいはもっと速い。つまり、ほとんど流してる。それでもたいていストーリーはわかるので。もしかしたら速読に近い?

 試し読みしてみて、「これは! スゴイ傑作だ」と思えば、じっくり読みに変わるので、当然それより遅くなる。


 なので、今まで音声アプリの必要性を感じたことがなかったんですよね。流して読むぶんには、たぶん機械より僕のほうが速い。


 ですが、スマホに読ませてる人は一定数、すでにいるってことですね。

 ちなみに音声アプリと言いましたが、iPhoneにはもともと読みあげ機能がついてるようです。グーグルで『音声アプリ』と検索したら、設定のしかたなど出てきました。Voiceoverだったかな。


 前述の自主企画によれば、音読させたときに、やたらとひっかかる記号を多用した文章や、難読漢字にルビのない作品は不可、と書かれてました。あと、難読ではなくても、ありったけ漢字になってると、アプリがすぐ詰まって、聞いてて逆にストレスになると。


 そのときは、「ふーん。音読ってそんなもんなのか。まあ、人間の目と同じようにはいかないよね」と思ってたんですが、これを読んで、ちょっと自分の文章に(音読してくれるかどうかって意味で)自信がなかったんですよね。


 とくにweb投稿サイトを始めたばっかりのころは、スマホの機能が低く、文字化けしてたし、前のサイトは最初のころルビが打てなかったため、難読漢字もそのまま放置してました。旧作はそれをそのままコピペして持ってきたので。


 というわけで、今回のレビューを見て、「あっ、ちゃんと読めるんだ」ということがわかったのが何より嬉しかったです。

 旧作もちょっとずつ手直ししてるんですが、なかなか全部には手がまわらないので。順次なおしていきます。


 ところで、みなさんは音声アプリ、使ってみたことがありますか? 僕は……ありません。だって、Siriでさえ「コイツ、いっつもアレコレ要求してきて、うっとうしい!」と頭に来て、機種変した直後に切ってしまいました。以来、二年近くSiriは眠ってます。Siri切ってる人って、います? なんか機械にアレしろコレしろって言われるのが嫌いなんですよね。Siriの提案ってやつですね。


 まあ、それはそれ。

 移動中に音楽を聴いてる人は多いですよね。それなら、その時間にweb小説を音声アプリで聴くのは、ぜんぜんアリだと思います。歩きスマホしなくていいことからも安全性も高いですし。乗り物運転してるときはダメですよ? 絶対、気が散る。


 スマホは目が疲れる、文字が読みにくいなどの理由で、音読にしてる人は案外、多いのかも。目の不自由なかたもおられるだろうし。一度だけ、目が不自由なので音声入力で書いてますって近況を読んだことが。


 スマホになれた世代が年をとっていくと、音声アプリの読みあげを利用する人は増えていくでしょうね。


 これまで音読については、あんまり意識してなかったけど、スマホは今後もますますいろんな機能がついて、使いやすくなっていくことは間違いありません。

 その全部の機能に対応することは不可能ですが、音読くらいはちょっと気にかけてみてもいいのかなと思いました。


 そのさい、いつも音声アプリを使って読んでるという、さきほどの自主企画を立てたかたの意見を参考にするといいですよね。変な記号を多用しない。難読漢字にはルビをふる。漢字ひらがなバランスよく。などですかね。


 あと、当て字の名前には毎回ごとにルビふってほしいくらいです、とも書かれてました。

 キャラクターをあんまり変な読めない名前にしないほうがいいのかもですね。外国の名前ならしょうがないけど、日本人のキャラクターは、キラキラネームだとしても、いちおうその漢字として読める範囲内にするか、それこそ毎回ルビをあてるか……。


 音読の場合、あまりにもセンテンス長いと、それはそれで理解しがたくなるだろうという予測もできますね。

 目で文字を追うときと違い、音読の場合は聞きそびれたとき、すぐに再読したい場所に帰れるわけじゃないでしょうし。いったん止めて操作しなおすのはめんどくさい。


 そう考えると、コレ、じつはwebサイトで読みやすい文章そのものじゃないかなと。

 センテンスは短く、漢字少なめ。てにをは正しく。修飾語多用しない。主語と述語は近い位置に置く。重複した言葉を一文(近距離)で使わない。文末にリズムをつける。などなど。

 つまり、目で読みやすい文章は音読もしやすいと。


 なるほどね。たしかに、それなら気をつけてたかも。


 文芸誌への公募はまた別ですが、やっぱりwebにはweb上で読みやすい表記ってあるんだなって話でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る