ベラベラ書く方法8 楽しみながら書く



 小説を書くことは楽しい。楽しいですよ。だから、バカみたいに大量に書いてる。

 とは言え、脳みそって同じ作業ばっかりしてると飽きちゃう、ワガママなやつなんですよね。


 このところ、過去作をカクコンの締切にあわせて必死にポチポチ打ちこんでたら、なんだかその作業に飽きてきました。

 新作ばっかり二、三ヶ月書き続けてるときは、なんとなく疲れて、筆が遅くなっていくんですけどね。


 僕は新作を書いたあとは一作くらい過去作をアップして、また新作を書いて……ってサイクルにすると、脳みそが新鮮味を感じてくれるらしく、効率よく作業できます。同じシリーズの話ばっかりじゃなく、たまに違う話を書くのもいいですね。シリーズ、過去作、シリーズ、別シリーズ、読切短編、過去作とか。


 小説を書くっていう行為じたいは同じでも、内容が違うと気分を一新してくれるようです。


 じつのところ、このエッセイを書いてるのも、たぶん過去作を二話続けてポチポチしてたから、なんか刺激が欲しくて書いてるんだと思います。そんなにしてまで文章が書きたい病w


 まあ、僕は過去に書いた作品が山ほどあるので、交互に新旧作とかできるんですが、現在進行形で一作一作を書いてる人には、この手は使えませんよね。

 それに、僕みたいに、とにかく休みになれば、ほかの何を置いても小説だけ書いてれば幸せっていう人は少ないだろうし。


 書きたくないときは休めばいいんです。ムリに書いてもいい文章なんて書けません。たまには気晴らしも必要。


 ところで、上記のことは長期間のスパンについてですが、ごく短いスパンでも、そういうのってありますよね。たとえば、一日のなかで。


 いくら書くことが好きだからって、一日中、机に向かって何時間もぶっとおしで書いたり、できませんよね?


 いや、できる。一回机にすわったら、日が暮れるまで没頭してる——という人もなかにはいるかも?

 かつては僕もそうだったので。ご飯食べるときと寝るとき以外は集中できたもんです。


 今はもうそれだけの集中力なくなりました。そのかわり、前はできなかったテレビ見ながらとか、ほかの人がいる場所でも書くことができるようになったので、集中の方向がちょっと変わったのかもしれませんね。以前はほかの人に話しかけられたり、テレビの音とかすると集中できなくてイライラしたし。人間が丸くなったw


 えーと、ここから本題。

 最近はいつでもどこでも書けるけど、そのかわり集中力が続かなくなった、と。


 しかも、その時間がめちゃくちゃ短いんですよ。だいたい五分から十分。筆が乗ってるときでも三十分くらい。新作なんか展開考えながら書いてるから、五分なんて、ほんの数行だったりします。数行書いて、「このあと、どうしようかなぁ」と思って、そのあいだ展開を考えてるかというと……じつはそうではありません。


 ソリティアです。

 僕の大好きな頭使う一人遊び。

 いったん、保存してカクヨムを出ると、ソリティアを一、二回して、またカクヨムに戻ってくる。そして、数行書いて、またソリティアを……。

 このくりかえしです。

 ソリティアはいろんな種類があるので、短いのだとワンゲーム一、二分だったりするので、ちょっとぬけだすのに手ごろなんですよね。


 じゃあ、ソリティアしてるあいだ、展開を考えてるかと言えば、そうでもない。頭を使うゲームですから、とうぜん、ゲームのことしか考えてないんです。でも、カクヨムに戻ると、ちゃんと書けるんですよね。


 不思議じゃないですか?

 なんでだろう?


 思うに、脳みそをだましてるのかなと。

 脳みそって、って感じると、とたんにやる気をなくすナマケモノらしいんですよ。


 なので、小説書くの好きと言いつつ、小さなスマホに向かってポチポチするのは、脳みそ的にはなんですよね。できることならナマケたいと、ヤツは思う。


 そんなとき、ちょっとカードゲームをさせてやれば、ヤツはと認識して、とたんに活発になる。ワンゲーム終わり、「ヤッター! 解けた。おもしろかったー」と、ヤツが高揚してるすきに、すかさず作業に戻る。すると、ヤツはご機嫌で働いてくれる。


 このとき、以前にも言いましたが、脳内でプロットを練る作業と、ソリティアやってるときの脳みそが似たような動きをしてるんですよね。なんとなく、自分でそれがわかる。


 ゲームには解いたときの達成感と爽快感がある。それを小刻みにあたえることで、プロット作りという、もっと長時間を要し、したがって短期的には快感の少ない作業を、と、脳みそに刷りこんでいる——ような気がするんですよね。


 小説じたいもクライマックスにかかって、伏線がピタピタ、はまってくると、ものすごい高揚感と陶酔感を得られるんですが(あのとき、絶対、脳内麻薬的なものが、なんか出てる)、そこに行きつくまでの脳みそへのご褒美みたいなものですかねぇ?


 僕の知りあいさんは、なんとか言うメソッドで、15分書いて5分休むを何回かくりかえし、一時間に一回だったかな? 長めの休憩を30分とる? 15分だったかな? なんか、そんな方法で書いておられるそうです。


 これもきっと、似たような原理なんだろうなぁと。


 脳みそは酷使すればいいってもんでもないんですね。

 てきとうに休憩をはさみながら、自分にあった書きかたでトライしてください。たぶん、人それぞれ、執筆時間と休憩のほどよいサイクルがあるんだと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る