まとめ だから小説は素晴らしい



 さて、いろいろ思いつくままに書いてきましたが、多少なりお役に立ったでしょうか?

 そろそろ新作を書くので、このエッセイは完結にしようかなと。書くこともなくなってきたしw


 今回は小説の技術的なことは書かないと思ってたので、どっちかっていうと、小説を書くための周辺のことが多かったですね。


 短編の発想法のところで、三つお題を選んで、その言葉を使って話を作るというのは、じつはエブリでどっかの編集長さんがお勧めしてた方法なのでした。


 コツとしては、二つのお題はわりと似た感じの平凡なものを使い、三つめで、まったく関係なさそうな予想外の言葉を持ってくるといい、とか書いてあったような?


 たとえば、『犬、猫』と来て、三つめが『特撮ヒーロー』とか、『フレックスタイム』とか『電気ジャーに残った冷やご飯』とか、そういう突拍子もないもの。そこで発想の転換が起こって、ひねりのあるストーリーになる、とかなんとか。うろおぼえ。


 人気のタグからランダムに三つ選んでも、おもしろそうですよね。人気のタグってことは、最初からあるていど人目をひく可能性がある単語だし。


 あと、やたらと誤字脱字や表記に過敏な人がおられますが、書籍化にはそこ、あんまり関係ありません。前にも書いたかもだけど、いちおう、もう一回。


 もちろん、あまりにも誤字脱字だらけだと、ふつうに読みにくいので、読者のさきを読もうという気をそいでしまいます。なので、最低限の推敲は必須ですが、たった一個でも間違った表記があっただけで、近況ノートで謝罪されてる人いますが、そこまで気にしなくても、書籍化の段ではちゃんとプロの校正入りますから。


 僕なんか、エブリのころ、スマホとサイトの相性が悪かったのか、サーバー側の不具合だったのか、いくつかの漢字や記号が文字化けしたので、しかたなくひらがなにしたり、別の記号で代用してました。記号ってのはダッシュのことです。——これね。長音符二つで代用してましたが、短編アンソロジーになるとき、その旨を編集さんに告げたら、「一括で直せますから、かまいませんよ」と、あっけなく解決。


 当時、エブリには字下げ機能もなかったし、スマホから手入力すると、なぜか保存したとき、ページ冒頭のスペースが消えてしまうという不具合があったので、あきらめて字下げもしてなかったです。が、妄コンなどのイベントには、まったく問題なく通りました。

 カクヨムは一括字下げ機能があるから、それを活用すればいいですしね。


 読者が読みにくくさえなければ、そこまで神経質に校正する必要はないでしょうね。そこに時間をとられるくらいなら、そのあいだに次々、新しい話を書いたほうがいいです。


 でも、最低限はなおしておきたいので、こういうとこに注意。

 とくにスマホで打っていて、見すごされやすい誤字は、濁点ぬけですね。『だ』が『た』になっていたり、『が』が『か』になっていたり。あとは変換ミスと、句点が読点になっていたり、『り』や『を』になってること。変換ミスは、第一候補をそのまま選んだら、違う漢字だったとか。まったく異なる文脈になるのでご注意を。


 過去作をアップするとき、パソコンや他サイトから、そのままコピペしてもいいんですが、もしも、それを書いたのが数年前なら、ワンアップチャンス! 数年書き続けていたなら技術力はだいぶ上がってるはずだし、その作品を書いたときの思い入れが冷めてるので、冷静な目で見られます。手直ししながら打ちなおすといいです。


 僕はパソコンが古すぎてネットにつなげられないので、以前の文章見ながら、スマホで一から打ってるわけですが、内容はおぼえてるので、長い説明文のとことか、めんどくさくなるんですよね。自分で打つのがめんどくさいところは、他人が読んでつまんないとこです。読まれないか、最悪、そこでサヨナラされます。


 なので、自分が打ちたくないと思った部分は、スッパリ、はぶいてます。それを出しとかないとストーリー展開に支障をきたすわけでないなら、なくてもいい説明ですね。どんどん、けずってオッケーです。のちになって、どうしても必要な情報だとわかれば、そのとき入れればいい。


 推敲にも技術がいると思うんですよね。


 今回、アムールをアップするにあたり、それを下書きで書いたとき「ここにもう一文、必要な気がするんだけどなぁ。なんか感情の流れがうまく説明できてない気がする……」と思ったところが何ヶ所かあったんです。ただ、そのときは足りないことはわかるけど、これだっていうピッタリの文言が浮かんでこなかったのであきらめた。


 それが、今回、打ちなおしてると、スルスルっと浮かんでくるんですね。「ここ足りない」と思ったところのが、見事に補えてしまう。今度こそは「よし、これで過不足なし!」と思えたので、それだけ力がついたってことなんでしょうね。人間って成長できるものなんだなと。


 なので、推敲力をあげるためにも、数年前の過去作があれば、少しの労力をかけてみてください。


 あと、それにちょっと関連して、僕が中高生のころに書いてた話は全部すてましたと書いたことがあります。すてたのは社会人になってからですね。パーっと読み返して、見るに耐えんと思ったので。


 ただ、すてたからって、それらを書いたことが、すべてムダだったかと言うと、そうでもありません。

 細かい部分は忘れてしまっても、やっぱり記憶のどこかには残っていて、気づけば似たような話を書いてたりします。

 高校生のころに書いてたオカルト物は、八重咲探偵シリーズに生まれ変わりました。内容的にはもちろん、ワンアップどころではない。継続は力なり、ですね。


 あとはモチベの話ですかねぇ。みなさん、感想をください、読んでください、星ください、モチベのためにと書かれてるんですが、上辺だけ評価されたって、ほんとの意味での意欲にはつながらないと思うんですよね。


 書き手はお世辞を言うものだし、編集さんもお世辞言われるんで、心に響かない。お世辞って文面だけでもわかるので。


 一番嬉しいのは、やっぱり読み専さんからの正直な感想です。読み専さんって基本的に無言なんですが、ごくまれに、ふだんはしゃべらない人がコメントをくださることがあって、それはほんとに心につきささります。


「うわー(≧∀≦)! めっちゃ面白いです。サイコー! 〇〇くんが可愛くて、可愛くて」


「ずっと応援してます! がんばってください!!!」


「やられました。スゴイです。とにかく面白くて、いっき読みしました。ラストの〇〇と〇〇の対決のとこなんかスゴくて、うまく言えないけど、ほんとスゴかった!」


 などなど……。

 これら、ほんとに読み専さんから貰ったコメントです。まんまではないですが。

 こういうの貰うと、もっと、がんばっちゃおっかなぁと思いますよね。


 なので、読み専さんは、たまにでいいので、応援してる書き手さんがいれば、こういうコメントしてあげてください。ほんの一行でも、ものすごく喜ばれます。


 書き手はそういうコメントを貰えるように、せっせと面白い作品を書きましょう。


 無言の人を動かすためには、そうとうのパワーが必要です。読み専さんたちにとって、作品を読む基準は、文章の上手いヘタとか、誤字があるとかないとかではなく、面白いか面白くないか、それにつきますから。面白くて、推しのキャラがいれば、読み専さんは通ってくれる。


 まだ、そういうコメントを貰ったことがない人は、読み専さんに「この気持ちを作者に伝えたいッ!」と思わせるパワーが足りてないってことです。


 たいていは読了後の気分が高揚してるときに、その気持ちをぶつけたくなるみたいです。昂まりを抑えられない——


 小説で、そういう力を他者にあたえられるって、素晴らしいことだと思いませんか?




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