オマケ 読まれる小説を書くには



 で、けっきょく、読まれる小説を書くためには、小説じたいを面白く書かないとダメって、そんなのわかりきってるよ!——と思ったかた、いましたかね?


 だから、その面白く書けるコツが知りたいんだ?


 それはこれまでに何度か小説講座的なやつを書いたんですが、カクヨムってあんまりその手のやつ読まれないんですよね。読まれないくせに難癖つけられることが多いので、めんどくさい。


 まとめとして、

 1、センテンスは短く。

 2、難しい漢字多用しない。

 3、一話2000字。

 4、適度に空行入れる。

 5、誤字脱字を減らす。(多少あるのは問題ない)

 6、毎日更新、少なくとも定期更新を心がける。

 7、自分にできる宣伝はする。

 8、他サイトにも載せると追尾されるかも。


 さて、ここからさきは小説の書きかたになるので、すでに換金を経験してる人には関係ないです。換金できてるってことは、それなりのファンがいて、面白い小説を書けてるはずだから。これまでの自分の方法を続けていけば問題ないかと。


 惜しいところでリワード換金に至らなかった……というような人にこそ、読んでもらいたい。

 つまり、小説執筆上級者とまでは言えないけど、中級くらいには言っていいと自負されてるかたですね。

(上級者なんだけど、内容があまりにもニッチすぎて、読者がついてこれない……などの可能性もありますが、それはもう作風の問題なので)


 読まれる小説のコツ。


 1、視点の乱れはありませんか? 視点が乱れてると読みにくいです。不思議と読者も違和感をおぼえる。


 視点は初心者には難しい問題。でも、換金してる人の大部分が20代以上ってことを考えると、あるていど書きなれた人たち。ということは、そうした作品は視点の乱れがない(または少ない)んだろうなと。


 視点って何?

 って人は、がんばって勉強しよう。

 一人称、二人称、三人称。

 三人称なら一元視点(一視点)か、多元視点(多視点)か。


 読みやすいのは一人称、または主役に固定の三人称一視点。一視点にじゃっかんの多視点併用はオッケー。(なぜなら書きやすいから。当然、読みやすくなる。なれた人なら三人称多視点でオッケー)


 三人称は自由間接話法、自由直接話法を多用すると読みにくい。


 一人称と三人称を併用するなら、少なくともシーンをわけよう。一人称で複数人を書くとつまんなくなるので、主役だけにしてね。


 くわしくは自分で学んでください。


 2、とにかくキャラが魅力的か? それに尽きる。


 キャラの魅力。大事ですよ。

 僕の作品は大きくわけて三つのシリーズがありますが、それぞれにファンのかたがいて、一つのシリーズは全作品読んでも他は読まないって人もけっこうおられる。そして、熱心にお気に入りのキャラを応援してくださる。

 推しキャラが最後はどうなっていくのか、みなさん、そのために読んでるんだと思う。


 これは②③共通ですね。

 どっちかっていうと、ガッポリ稼ぎたい人たちのほうが、より大事かも。ラブコメとか、ヒロインの魅力が話のすべてなんじゃないですか?


 魅力的に見せる書きかたってのもあるんですけどねぇ。

 キャラクターって思ってる以上に書き手の個性が反映されるので、自分とはまったく違うタイプの人も書けるよう、日ごろから人間観察を欠かさないでください。


 クズはクズのように、清楚なヒロインは清楚なように、弱虫な勇者は弱虫……だけど、強くなるために必死に努力するさまを描きましょう。


 とくにチーレムとかヒロインが多数いると、キャラかぶったり、最初の設定では清純派だったのに書いてるうちに、ただの淫乱になってたりしませんか? いろんなタイプを出したいときはキャラをわけよう。ギャップと言ったって自ずと許される範囲がある。違う人になっちゃってることをキャラブレって言いますよね?


 キャラを一人の人間として扱っていれば、その子のやりそうなこと、やらないことはわかります。大事なのは、なりきる力!


 ついでに言えば、脇役もみんな魅力的だと、より読まれる。


 3、次回への引きが大事。弱くてもいいから必ず最後に引きを作る。


 シリーズ物なんかは冒頭、前回の説明みたいになることがよくある。そのあと、その回の状況説明とか。

 あんまり面白くない展開が続いても、最後の一文に「えっ? 何が起こったの? 気になる!」と思わせれば成功。


 たとえばミステリーで探偵が情報収集してるとき、伏線はたくさん、ひそませてるんだけど、ぱっと見、おじさん二人の会話がえんえん続いてつまらない……なんてこともありますよね?

 そんなときは、最後のほうに、


「あっ、でも、あのとき……」

「何か見たんですかッ?」

 目撃者Aは青ざめた。


 などのような、大事なことを言いそうな素振りを持ってくるだけで、読者の気をひくことはできます。


 週刊誌の手法ですよね。

 一話2000字なので、ちょっと詳しい描写すれば埋まってしまう。そのなかで軽いジャブを重ねていきましょう。


 読まれるコツ。かなり大雑把に言うと、こんな感じ。


 ほんとは3はプロットのコツにもつながる話題なんですが、オマケなんで、このエッセイではここまでにしときます。


 自信のない人は他の人の作品をたくさん読まれるといいですよ。その場合、一つのジャンルではなく、いろんなジャンルを。

 ネット小説のなかで、自分の腕がどのくらいの位置なのか、客観的に受けとめることができる人は成長します。


 前述のように、読みあいはトラブルも多いので、ほんとに切磋琢磨しあえる同士を見つけたほうがいいでしょうね。


「おたがいに長所短所を言いあって高めあおう」みたいな企画も、たまに見ます。誹謗中傷はもちろんNGですが、おたがいに尊重しあい、かつ、本音を言いあえる相手に出会うことができれば、そのつきあいは一生物になります。

 ただし、熱くなりすぎて相手を傷つけてはいけません。あくまでも、相手を尊重する姿勢が大事。


 僕の経験で言うと、小説の腕が同じくらいだと、お友達になりやすいです。

 あと、おたがいの作品が好きなジャンルであること、相手の作品を心から面白いと思えると、理屈ぬきで読むのが楽しみになりますので、そうした作品を書いてる人と出会えると幸せですね。

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