第15話 嫌味なキャラは強い方が良い

午後五時半


小夜子と白髪の女は互いに相手のつぎの手を考えていた。


まず、あのダークスピアに当たるのは、避けたいところ、元々槍は切っ先の部分が一番威力が高いうえに、彼女の能力は重力、特に切っ先の部分に重力が集中されている。その部分に当たるとほぼ間違いなく、こちらの武器がやられる。『梶木』でも対応できるかどうか分からない。


一方、白髪の女は、あの子の切断したものを水に変える能力、やっぱりやっかいねぇ、しかもその水を弾丸のように、弾き飛ばせることも出来る。ここら辺は小石や、草も多い、それらを斬り、遠距離攻撃をされるのはなるべく避けたいところ。まあ、もしそうやられてもダークスピアの重力拡大で潰してしまえば問題ない。


彼女の武器、ダークスピアは、切っ先に最大の重力が込められている、しかも、重力を拡大しても切っ先の重力は依然として威力は変わらない。つまり、重力を拡大させて、そのまま矛と盾として攻撃をすることができる。


それじゃあ、重力を拡大させましょうか。そう思った瞬間、ダークスピアの切っ先が紫いろに染まり、その周りの空間がぼやけ始めた。


「やはり、重力を拡大させてきましたか」そう言うと、小夜子は、その場にあった小石や草を切断した。そして、自身の周りに水の粒を浮き上がらせた。


やはり、遠距離攻撃をえらぶのかしら? と白髪の女は思った。


そして、ついに、二人が前に出ようと、足を踏み出した瞬間、銃声が鳴り響いた。それと共に、弾丸が、二人に周りを駆け巡った。二人は、互いの武器で、その弾丸を撃ち落とした。


「「何者ですか」よ」と二人が同時に言うと、すると、ドゴオオオ!! 空から、いきなり闇が降ってきた、右手にでっかい玉のようなものを引きずりながら。


「あなたは!? どうしてここに!?」


「お、そこにいるのは、小夜子!!! こいつらなんとかしてくれ、この右手が盾になる、なんとかしてくれ」


一体何を言っているのでしょうか、この人は、と思うと、後ろに、大量の鰐型の何かが闇に弾丸を撃っているのを見た。あれは、ロボット?


「ちょっと、あなた何言って・・・・・」白髪の女がそう言おうとすると、闇は「なんだ、お前、こいつの仲間か?」と言うのを聞き「は?、何を言ってるの、どこをどうみたらそんな解釈のかしら?」と、反論をした。


すると、再び、ロボット達が一斉に弾丸を撃ってきたので、二人とも、闇の内側に移動した。


小夜子は、闇に顔を向けて「これが終わったら覚えていてくださいね。」と言った。






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