10章 

10章 過去



2016年3月



私は未来の為過去を振り向く




明日が訪れなくなって3年が経った



「阿崎、やはり無茶では無いですか?

後世の人間に全て託すなど」

「その為の君だろう?」

「だとしても難しいと思います

特定の人間達を巡り合わせテロを起こさせるというのは、、」

「羽島って人はもうこっち側だよ

あと今の総理大臣、茅場さんも」

「仕事が早いんですね」

「でも最後のピースが足りない」

「それこそ私で良いのでは?」

「もっと最悪の場合

奈咲は恐らくお父さんとの確執もあって凶行に走った

そこが起点となると読めなくなる」

「核、ですか、、」

「一寸のずれも許されない

見えない場所から脚本を書くって難しいね」

「私達の技術力でこれ以上は、、不確定要素を潰すのも難しい話です」

「全部僕の所為だ

未熟で、浅はかだった

せめてもっと科学が進歩していれば何とかなったかも知れない」

「いずれ科学が進歩すれば武力は無くなり論争で国の総意を決める時代が来る

以前仰っていましたね」

「世迷言さ」

「それはどうかしら?」

2人しか居ない研究室に3人の人間が突然現れた

「誰ですか?どうやってこの部屋に」

「君達普通の人間じゃないね」

長く白い髪に青い眼をした少女

右腕を包帯で固定している黒髪短髪の青年

ガスマスクの様な被り物をしゴーグルを付けた男性

明らかに普通の出で立ちでは無かった

「私達はそうね、部外者だけど干渉しに来た旅人みたいなものよ」

「手を貸してやる」

「何故?」

「今の状況でこの世界の歴史が進むと俺達に害がある」

「という事は未来人?」

「おれらの事はどーでもいい

協力するのかしねーのか?」

「安良居、人と話す時くらいゴーグルは外したらどうだい?」

「はいはい、分かりましたよ開扉ママ」

ゴーグルの彼、安良居という男性は金色の眼をしていた

「とりあえず自己紹介をしよう

俺は鏡開扉

このバカは安良居考

そして彼女が」

「リュシエンヌ・イストワール

よろしくね」

「阿崎だ」

「姶良です」

「ミスター姶良、本名を教えて貰っても?」

心が読めるのか

「控えてもよろしいですか?」

「構わない、話の続きだ

俺達は君達には説明のつかない力を行使出来る

それを解説付きで渡そうと思ってね」

「あとさっき言ってた最後の部分

私達がその役を買ってあげるわ」

「話が早いですね

どうしますか、阿崎」

「君達のメリットがどれ程か分からないが

それで構わないならこちらこそ協力をお願いしたい」

「交渉成立だな!さっさと済ませよーぜ!」

「最後の部分、という事は君達は時も移動出来るのか」

「勿論」

それから僕らは彼等の技術を教えて貰いながら欠けていたピースを科学で埋めていった

彼等の力は科学というより魔法や超能力と例えた方が自然な物だった

「よし、これで全部かな!」

「ありがとう、これで後は僕が死ねば話は済む」

「鏡君、君達の力を持ってしても彼が死ななければ事は運びませんか?」

「残念だが、、腹立たしい話だ

運命っていうのは本当にあるらしい

そうなるものをそうではないとする事は非常に難しい」

「構わないよ勇、これは僕の最後の仕事だ

きっと君達が現れたのも運命かも知れないしね?」

「そうかもな、とりあえず俺達はやる事はやった

帰るぜ

それと向後、未来でな」

「じゃあな天才!」

「私達も観ているから安心してね

それじゃあ!」

3人は光と共に消えた

本名は控えてと言ったというのに、、

「阿崎、、申し訳ない」

「よしてくれ

くどい男は嫌われるよ?

僕は本当に大丈夫

観斗も涼子も

悠季さん達も

君も

磐勢さんも

羽島達も

茅場も

みんなきっと正しい国の為に戦ってくれる筈だから、、

だから、、、」

「、、、私はそろそろアメリカに発ちます

あなたを忘れる事は一生無いでしょう


      賢い

さようなら 善き人よ」



あなたが創った土台を元に塔が出来上がりそうですよ


ありがとうございました


後は任せて下さい






無事に明日が訪れそうです

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