異常繁殖マンドラゴラの駆除作戦

武州人也

火炎放射作戦

 緑で覆われた大地。その上空を、ドローンの編隊が飛行していた。編隊を構成する数十機のドローンの、その全てには火炎放射器が搭載されていた。


 その火炎放射器から、一斉に豪炎が放たれた。

 一面を覆う緑が、揺らめく炎に包まれる。赤い舌のような炎は、黒い煙を伴いながら、天まで届かんばかりに立ち昇った。


 炎というものは、非常に危険で恐ろしいものである。炎に巻かれて無事な生物は殆どない。それはこの大地を占領する緑とて同じことだ。如何に繁栄を極めようとも、炎の力で排除にかかられては、彼らも全く抵抗できなかった。

 人間の金切声のようにも聞こえる彼らの「声」は、まるで断末魔の叫びのように響き渡った。だが、それを聞くものは、上空を飛び回る無機質なドローンのみであった。

 この土地の緑は、全て焼却された。後にはもう、草の一本さえ残らない、文字通り不毛の地が広がるばかりである。

 

 荒涼とした大地に、赤い夕陽がまばゆく照り輝いている。その光を受けながら、燃料を使い果たしたドローンは巣に帰る鳥のように飛び去っていった。

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