第4.5話 不死鳥は粗暴なれど愛を知れり

ATTENTION

この話は少し卑猥な要素を感じる可能性があります。苦手な方はブラウザバックを宜しくお願いします。上記を理解していただいた上で

引き続き拙作をお楽しみ下さい。





一眼見て"ソレ"だと分かった。

この前のオンナが手付きだった理由。

オレを怒らせて職員を殺させた理由。

全てソイツを瞳に入れた瞬間に理解した。

(最期の晩餐ってか...)

青髪のオンナは「助けて欲しい」なんて言っていたが、気づいていないのだろう。どうしてヤツらがコイツをオレにすぐに寄越したのか。祭壇から抱えて来て、事前にあつらえた寝台に横たわらせた迄はいいものの、その実まっさらなオンナを貰い受けたのは久方ぶりだったからどうしたら良いのか忘れてしまっていた。

気まぐれに己とは違う命の宿る身体に手を伸ばす。

ゆっくりと穏やかな心音が聞こえてきた。

(コイツ、やけに弱ってるが...あぁ、

オレと同じか。)

流れ込んでくる少女の記憶に、思わず呑み込まれそうになった。

男達からの視線、言葉、笑い声。かつての自分が忌み嫌ったものたちを彼女は自分の持ちうる記憶全てに刻み込んでいた。こんなオンナが今でもいるとは。だが、

「一番大切なココは、誰にも触れさせなかったのか。」

指で少女の臍の下辺りまでゆっくり辿る。

オレが汚された命の源泉は、確かに指の下で動いていた。侵入者を知らないソコを持ち合わせている稀有な少女。オレには許されなかったその幸運に思わず笑みが溢れた。

「あぁ、オマエが羨ましいよ。オレには許されなかったその権利をオマエはずっと誰にも汚させなかった、それだけでいい。

それだけで、

オレはオマエを思わずにはいられない。」

この思いが、

アイツらの仕組んだ罠だとしても目を瞑ろう

それ程にこの少女を思ってしまったのだから

「翼を折られてしまったのなら、この不死鳥オレが支えてやる。」

だから、安心して溶け合おう

愛しいオレだけの"棺"

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