第4話
先延ばしにされた最期は、イチロウと名乗る男により安寧となった。何故、俺に声をかけたのかなど問うのは干渉そのものだろう。
(どうでもいいことだ。俺にとっても、あれにとっても。)
そうやって意思を投げ出した…自分のためだけに。分かっていながらずっと。干渉されなければ考えるのを止める、のは楽な選択だ。俺は傷付かないかわりに誰も、救えない。
(干渉が生む結末なんて分かりきったことだ。それならそれで、いい。)
机上でぽつりと佇む菓子を、口に放った。
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