第8話 同一人物だけど・・・

♪~

『RUI、私この前すっごい怖いことあったんだ。マジヤバくって、男の子の事嫌いになりそうだった』




♪~

『大丈夫だった?』



♪~

『うん……偶然に同居人の子が通り掛かって助けられた』



♪~

『同居人?男の子?』



♪~

『うん。RUIと同じ名前なんだけど…だけど…これだけは信じて欲しい。同居人の子とは何もなくて私は…RUIが好きなの』

『ご、ごめん…急に告白して…またメールする』





「こ、告白しちゃった…わ、わ、どうしよう??迷惑だったよね??」





「俺と同じ名前……同居人って…やっぱり…トモカは智華…天月 智華…だったんだな……」






RUI


あなたは同居人の留唯


邑木 留唯に過ぎなかった



でも気付くのはいつ?


私は気付く事なく


ただ ただ RUI という相手として


彼とメールをしていく





数日後 ―――



「智華」



私の部屋に訪れる留唯。




「何?」

「お前……好きな男に告白した?」


「えっ!?…あ、うん……急に告白しちゃったから驚いてると思う。私も恥ずかしくてメールするとか言ってメールしてない……」


「なあ、改めて確認するけどさ、相思相愛なら、大事なもの捧げるんだよな」

「まあ……でも…留唯には関係ない話だよね?」

「まあ、今はな。好きな男にメールすれば良いじゃん」

「む、無理だよ」

「じゃあ、返事聞かないまんま?」

「それは…」




その日の夜 ――――



♪~

『トモカ、何してる?』




ドキン


RUIからだ。



♪~

『RUI 数日ぶりだね?』



♪~

『そうだね。トモカ、この前の返事だけど、少し時間くれないかな?』

『今はまだ、メル友で続けられたらと思っているから』



♪~

『私こそ突然に告白して驚かせてごめん……』



♪~

『大丈夫だよ。だから気にしなくて良いから、お互い今まで通りメールしよう♪』



♪~


『RUI。うん、分かった』



♪~


『良かった!トモカ、気にしてるんだろうなって思っていたから』



私達はメールのやり取りをし相変わらずな関係を続けていた。





ある日の休日の事だった。



「あれ?留唯どうしたの?」

「あれ?智華はいたんだ」

「うん、いたよ。どうして?」

「いや、みんな出払って誰もいないって思っていた所だったから」


「あ~、残念だけど私は居たよ」

「そっか」



「お前は…」

「留唯は…」


私達はほぼ同時に口を開く。



「「何?」」



再び同時に口を開く。



「…………」


「留唯、先に良いよ」

「じゃあ……お前、今日何か予定は?」

「特に」

「だろうな」

「なっ!聞いておいて酷くない?」



クスクス笑う留唯。



「出掛けるか?」

「えっ?」

「お前の好きな男じゃねぇけど、同居人として。お前さえ良ければだけど」

「それは…」

「まあ無理には言わないけど」


「行ってあげても良いよ。たまには良いんじゃない?」


「じゃあ、準備してきな。待ってるから」

「分かった。じゃあ貴重品だけ持って準備してくる」


「ああ」




私達は初めて出掛けた。



しかし、どこそこで留唯の事を知っている女の子と遭遇した。




≪コイツ…本当遊んでたんだ≫






だけど……

時々誘いを断る姿を目の当たりにした。




「留唯って…本っ当…女・の・子・の深~~~い関係の友達どれだけいるわけ?私もその一人と思われてるし!」


「悪かったな!」



「…………」


「本当…彼氏になったら……大変そうだよね……」


「だろうな!」



「………………」



「あっ…水族館、新しくオープンしたんだ」



私はポスターと新しく出来たと思われる建物の前に目に付き足を止めた。



「行く?」

「えっ?あっ、いや…別にそんなつもりで言った訳じゃないし」


「好きな男と行くデートにでもとっておくか?俺は別に良いけど。行きたければ付き合うし、行かないなら行かないで良いし」




私は留唯の手を握る。



「行きたい」



グイッと私の手を引っ張り歩き出した。



「留唯?」

「行きたいんだろ?行くぞ!俺で良ければ」

「うんっ!ヤッタ!ありがとう!」



私達は水族館の中に入って行った。




中を廻っていると、神秘的な場所の空間に入った



クラゲコーナーだ。


フワフワと泳いでいるクラゲか神秘的で海の中にいるような感覚に陥り言葉を失った。



「………………」



≪……綺麗……≫



「……智華…」

「な…に…えっ?…留…ぃ…」




キスされた。



「ちょ…ちょっ…」



クラゲのいる水槽を背後に言い終える前に再び唇をキスで塞がれた。


唇が離れ見つめ合う私達。



「………………」



「…悪い…雰囲気にやられた…」

「えっ?」

「マジでごめんっ!智華」

「いや…えっと…別に……」




怒る気にならなかった……


正直私も人に言えない位、この空間に流されてしまった……



私達は、そこの空間から出ると、おみやげコーナーを見ては、水族館を後に帰るのだった。
























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