第6話欠席をしている先輩
翌日。金曜日。
昼休み。
俺は、昼食を食べ終え、宮戸先輩に謝りに行く。
二年生のフロアについて、大人しそうな眼鏡をかけた男子にたずねた。
「あの、すいません。宮戸先輩を知ってますか」
「みやど?下はなんて言うの」
「ありがとう、ございます」
彼は先輩を知らないようだった。すぐにひいて、他の先輩にたずねる。
「あの、すいません。宮戸先輩を知りませんか」
廊下で女子二人が喋っていた。その内の一人、長い金髪の外に少しカールがかかってる女子にたずねた。
「宮戸先輩?先輩。ああ、一年なんだ君。宮戸さんなら、いないよ」
「いないんですか、何でですか」
「朝からいないんだよ、欠席してるの。理由は分からないよ、私」
「そうですか、ありがとうございます」
俺は、頭をさげ自分の教室に戻ろうと歩きだしたと同時に答えてくれた彼女に呼び止められた。
「ちょっと、待って。君。私、宮戸さんとはちょっとした友達なんだ。私より仲のいい子がいるけど、面倒だと思うし。今、聞くから待ってて」
彼女がそう言って、スマホで宮戸先輩にかけてくれた。
「もしもし。私だけど、ちょっといい?」
「大丈夫?宮戸さん。うん、うん。そうなんだ。ごめんね、またよくなったらね。うん、じゃあ」
通話を終え、俺に向き合い伝えてくれた。
「熱が出てるんだって。すぐに治ると思うって言ってたよ。これでいいかな、君」
笑顔の彼女。
「ありがとうございます。それでは」
俺は、もう一度頭をさげ歩きだす。
「うん、じゃあねー」
と、彼女が返してくれる。
教室に戻って、俺はひと息つく。
もしかしたら、俺のせいかもと思ってたけど。そうじゃなくて良かった。
「りっちゃん。あれしようぜ、あれ」
横から友達が誘ってきた。
「ああ、うん」
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