第3話休日のバスケの試合

土曜日。

私は、高校の体育館の中にいた。

高校の体育館の扉の近くでバスケの試合を観ていた。

周りには、二十人以上の女子がいる。彼女達は声援を送っている。私もまじって声援を送る。隣には玖未もいて、同じようにしている。

試合をしている人達の中に水曜日会った男子がいた。そのときとは全然雰囲気が違っている。ボールを追って、相手の高校のバスケ部に向かい合う彼はすごくかっこいい。顔が汗だくになっていた。

でも、出逢った時に抱いた気持ちは変わらない。

頑張れー、キャー、船見センパーイ、久野木くーんなどの声援が体育館中に響き渡る。


試合は昼前に終わって、バスケ部員が着替えて体育館から出ていく。

ほとんどの女子が体育館の前でバスケ部員を囲んでいた。

私と玖未は試合が終わると同時に体育館を出た。

「楔(くさび)先輩に話しかけられるチャンスだったのにー。良いの、寧々」

「無理だって、玖未。声なんてかけられないよぅ。それにぃ...」

「それに?何、寧々」

声のトーンを下げて聞いてくる玖未。

「何でもない......ご飯食べにいこうっ玖未」

私は、走り出す。

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