第91話三日で元に戻っていた、
そして小太りマダムが明らかに気持ち少し痩せており、小太りマダムからぽっちゃりマダムへと変化していた。
どうやら私の事が心配で一日唐揚げ十個しか喉を通らなかった様である。
それは私にとっては食が細ったとは言えないと思うのだが、小太りマダム曰く一日に唐揚げ二十個は食べている様なので半分に減ってしまったとの事なのだが私が大丈夫だと分かって食欲も戻り、三日で元に戻っていたのには驚いた。
因みに小太りマダム曰く、当初から比べて今現在一キロ以上は痩せて来ているとの事。
やはり主食であるお米を抜いたのが(お米が入る胃のスペースにも唐揚げを入れたいから)大きいのだろうか?
図らずも炭水化物抜きダイエットみたいな生活となっている訳なのだが、炭水化物ダイエットをしている訳ではない為唐揚げの衣は除けずに食べているし一緒にキャベツの千切りも食べているのでバランスが良いのか悪いのか判断にしかねるが偏っている事はたしかな為一応程々にと忠告はしておく。
因みに小太りマダムのお気に入りは鶏胸肉の唐揚げで鶏モモ肉の唐揚げと違いくどく無く飽きにくいのだそうだ。
それを聞いた私は逆にパサついて苦手だと言ってしまったが最後、小一時間近くいかにして料理すれば鶏胸肉のでもパサつかずに唐揚げが出来るのかを熱弁させられた。
確かに、学生時代良く部活帰りに食べていた唐揚げ専門店である『唐揚げ本店』の唐揚げは、上唐揚げこそ鶏モモ肉なのだが、大きめのサイズの唐揚げであるおばちゃんの唐揚げ(醤油味)やオカンの唐揚げ(甘口醤油味)は鶏胸肉だったと懐かしい記憶が蘇る。
あの時食べた唐揚げは柔らかい上にくどく無くいくらでも食べられそうな程美味しかった。
それと同時に小太りマダムの唐揚げ好きは独立して自分の店を出すのでは無いかと思う程のレベルで少し引いてしまったのは内緒である。
むしろ、没頭出来る趣味があるのは羨ましいとも思う。
そして、折角の休憩時間が唐揚げの話で潰れてしまった小太りマダムなのだが、かなり満足そうに唐揚げを揚げる仕事へと戻って行ったので彼女にとっては有意義な時間だったのかも知れない。
そんなこんなで挨拶と顔見せも一通り終えて帰路へ着く。
新しい私の部屋は1DKなのだが部屋自体は意外と広く高城の元で暮らしていた時の部屋と比べても五割増しと言った感じである。
というのも元々2DKだったのだが前の住人が出ていってからなかなか次の住人が見つからず、だったら2DKにしては狭い部屋よりも1DKにしては広い部屋にしてみたらという大家の提案で壁がぶち抜かれた様である。
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