第2話 過去
拓也との出会いは大学のゼミだった。
いつも周りに人がいて、笑顔が素敵で、誰に対しても親切で、リーダーシップのある拓也はすぐにゼミでも中心人物となった。
そんな彼と私が接点を持つようになったのは、ゼミ発表が同じ班になってからだった。
判例を読み込み、ディスカッションを必要とする事前準備期間でグッと距離は縮まったのだ。
そのままゼミ発表が終わっても一緒に授業を受けたり、学食で溜まったり、お互いの行動が重なるようになった頃、自然と告白をされ、自然とその告白を受けた。
その頃にはもう、拓也は私の生活の一部になっていたから。断る理由なんてなかった。
一緒にいて落ち着く。私は拓也を好きになっていた。
それから5年間。卒業しても、就職しても、うまくいっていると思っていたのは私だけだったの?ねぇ、拓也。胸が痛いよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます